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奈緒子

2008-02-14 22:37:31 | 映画2008
 好きよ!キャプテン

 意外なことにポルノグラフィティは初の映画主題歌となるらしい。しかも日活の映画なので、なぜかロマンを感じてしまう。ストーリーがほとんどストレートであり、伏線や味付けもへったくれもないのですが、タスキを繋ぐだけでここまで感動できるものなんだと驚いてしまうほど。しかし疑問は残ったまま・・・なぜタイトルが“奈緒子”なんだ?

 足の速い少年が高校生となり、短距離から駅伝ランナーへと転向してしまうことにも驚かされますが、原作は漫画。そんなのたいしたことありません。心理描写も薄いままで、なぜ駅伝がいいのか?などという理由は一切説明されない。そこに仲間がいたからか?父親の死を6年経った今でもふっ切れないのか?とにかく走ることが生甲斐なんだろうと、納得もせずのめり込んでしまうのです。

 上野樹里演ずる奈緒子は、天才ランナー雄介(三浦春馬)の父親が亡くなったのは自分のせいだと罪の意識を残したまま彼と再会。過去を背負ったまま明るさを取り戻せない役であるだけに、高校生役がきつくなってきた彼女でもバランスが取れていたのかもしれません(設定では2歳上)。そして、父の死の原因が奈緒子であると思い続け、雄介もまた時間が止まったままなのですが、彼女の性格とは逆に、空虚さを感じるほど明るく振舞っているのです。

 波切島高校の陸上部員は7人+マネージャー1人。6人で走る駅伝なので補欠が1人という厳しい数だ。その中でキーパーソンとなっていたのが1年の吉崎(タモト清嵐)。最初はえなりかずき2世かと感じたほどでしたが、クライマックスの大会ではなんと逞しく感じられたことか。他の生徒たちも十分に個性的だったし、鶴瓶監督が「雲になってみんなを見ていたい」と言った言葉も納得できるのです。

 上野樹里と三浦春馬は個々の心理描写も弱いし、6年前の事故を起因とする確執もそれほど訴えてくるものじゃなかった。もしかすると原作のほうが“奈緒子を赦す”というテーマが伝わってくるのかもしれません。そんな中、汗だくになった高校生たちに爽やかな風を吹かせてくれたのが女子マネージャーである佐津川愛美。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』のまんが少女とは思えないくらい明るさでした。

 なぜだか『小さき勇者たち~ガメラ』を思い出してしまった・・・

★★★・・

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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは♪ (ミチ)
2008-02-14 23:34:05
もしかして試写会ご一緒でしたか~?
コミックが原作ということですが、脚本のいろんな部分が弱いな~と思ってしまいました。
1年の吉崎はきっとやってくれると思っていましたが、あの頑張りは感動モノでしたね~。
樹里ちゃんの印象は薄かったです(汗)
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ご一緒 (kossy)
2008-02-15 16:02:58
>ミチ様
吉崎くんはよかったですね~
誰が彼を第一走者に選んだのかちょっとわかりませんでしたけど・・・
やっぱり樹里ちゃんは印象薄いですよね。そのために奈緒子というタイトルが弱くなってしまって・・・
過去のことがふっきれる瞬間を見たかったです。
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タイトル (かのん)
2008-02-18 17:10:17
私も「奈緒子」のタイトルにこめられた意味がよくわからなかったです。映画もちょっと期待し過ぎちゃいましたけど、作品テーマもキャストも監督も私の好きな要素が揃い過ぎちゃってたので仕方ないのかもしれません。

作品の雰囲気自体はとても心地よかったので、もっとじっくりと観ていたかった気もしました。もしかしたら映画よりも連続ドラマで時間をかけて生徒たちの成長を描いたほうが合ってたのかもしれませんね。
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タイトルの意味 (kossy)
2008-02-18 21:23:00
>かのん様
最初は意図したものがあったのに、作ってるうちに上野樹里の印象が薄くなってしまった・・・という経過もあったのでしょうかね。
「許す」というテーマをはっきりさせるセリフだけでもあればなぁ・・・

多分、もっと色んな事件とかありそうな、連続ドラマにすると脚本力がものいいそうですね~
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奈緒子という名の償い (PGM21)
2008-02-19 23:57:24
何時もお世話になっております。

確かにタイトルだけだと何を伝えたいの?という感じになると思います。奈緒子の存在も雄介より強くない感じだし、確かにこれほど上野樹里が目立たない映画も珍しいのでは?とは感じました。
奈緒子の存在をどう捉えるかなのかもしれませんが、背負ってしまった十字架に対してどう償うか?そういうテーマなのかもしれないけれど、でも恋してしまったと感じてしまうし・・・雄介に償いたい一身で雄介を追ったと考えれば解らなくもないですが、それだけ償うという事は映画のように優しくないという事を描いて欲しかった気もしています。
私が雄介なら奈緒子を突き放しているでしょう。
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雄介 (kossy)
2008-02-20 17:05:21
>PGM21様
目立ちませんでしたね~樹里ちゃん。
見終わった瞬間には、タイトルは「奈緒子」じゃなくて「雄介」だろう!などとつっこんでみたくもなりました。
実際、奈緒子の存在がなかったら陸上選手としてどうなったんだろう?とか、合宿に参加したことでどれだけ雰囲気が変わったのかとか、いろいろと描けていない部分が多かったんですよね。
突き放してしまうのは当然だし、その雄介の態度にもめげずに陰ながら応援する奈緒子の気持ちをどこまで理解していたのか・・・ううむ。
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こんにちは~ (hito)
2008-02-23 16:53:32
こういう青春スポーツものは大好きなのですが、ちょっと弱かったですね~。
後半は奈緒子の存在があまり意味なかったりしましたし。

最後の試合はもうちょっと盛り上がる展開にできただろうと思うと残念です~
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ガメラ (kossy)
2008-02-24 23:20:13
>hito様
そうですよね・・・盛り上がりに欠けました。
スポコンものとも違うし、奈緒子という意味もわからない。結局は友情物語だったのでしょうけど、それも弱かったし~
なんだかガメラのリレーシーンを思い出して、意味はわからないけど涙が流れるような・・・そんな感じでした。
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Unknown (FREE TIME)
2008-02-24 23:43:40
こんばんは。
自分は原作を読んでいましたが、原作でも雄介中心で奈緒子の出番は少ないです(^^;)
長編漫画が原作だけあって、それを2時間で纏めるのは流石に厳しかったですね。
それでも駅伝の醍醐味は確りと伝えていた部分は評価できる作品だったと思います。
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雄介かぁ (kossy)
2008-02-25 22:18:59
>FREE TIME様
原作でもそうだったのですね。それじゃこのような形になってもしょうがないのかもしれませんね。
いつも原作を読むことなく映画を観るのですが、やっぱり詰め込んであることはわかるものです。なかなか難しいですよね~
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吉崎君 (aq99)
2008-02-26 21:50:48
kossyさんの疑問点は全部マンガでは答えてくれてます。
ほんま、できの悪い映画化やったわ~。
ちなみに吉崎君のキャスティングは90点で、原作イメージとなかなか合ってましたよ~。
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映画化 (kossy)
2008-02-28 01:10:38
>aq99様
そんなに原作は良かったんですね!
映画化の出来の悪さは、やっぱり心理描写が上手くいってないことが最大の原因ですよね。想像はできるんだけど、ストレートに伝わってきませんでした。
なんとか及第点に届いたのは吉崎くんのおかげですよね。
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奈緒子のおかげで。 (陸上大好き★)
2008-03-19 16:35:58
全員のタスキが繋がったのは奈緒子のおかげです!!

映画見たかったなぁ~
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そっか (kossy)
2008-03-19 18:25:48
>陸上大好き★様
そっかぁ~そう考えればいいんですね!
個人の走りにばかり注目してしまったため、考えが及びませんでした(汗)
タスキを渡すシーンにそれぞれ奈緒子カットでも入ってくれればわかりやすかったのに・・・
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原作 (kimion20002000)
2008-09-03 23:53:09
TBありがとう。
主人公の父親が、「日本海の風」と呼ばれていたランナーだったんですね。だから、息子は、走るわけです。
あの、マネージャーは、僕も可愛いなあ、と思いましたよ(笑)
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原作 (kossy)
2008-09-04 01:28:42
>kimion20002000様
日本海の風ですかぁ~
わが石川県は陸上が強くないけど、競歩だけは強かったような。俺も長距離は苦手なんですが、最近歩いてばかりで靴がすぐにダメになりそうです・・・
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樹里さん (Aki)
2008-11-01 03:32:17
綺麗な走り方でしたね。原作は未読です。小学生の頃、同級生のお父さんの事故死の原因をつくってしまい、おまえの性だ、お父さんを返せ!と言われたら・・当然トラウマになりますよね。返せるモノなら返したい。どんなことでも自分にできることならやる。けれど、できないことだけはいわないで!とおもうことでしょう。また、感情に流されて、相手に暴言を吐いたほうも、後味が悪いものです。長年、後悔と、ごめんが言えずにいた菜々子と、相手を思いやる気持に欠け、相手を傷付けているユウスケと、再会出来たこともすごいけれど、ユウスケに、自ら近付いた菜々子の勇気と強さに感服しました。
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マラソン (kossy)
2008-11-06 03:44:41
>Aki様
『相棒劇場版』といい、今作といい、今年はマラソン映画が流行?!などと思っていたら、高橋尚子の引退宣言・・・ちょいとモライ涙。

罪滅ぼしでも樹里ちゃんくらいの若い子にその決意をさせるなんて常人には無理。トラウマを乗り越えるためには自ら棘のの道を歩んだ方がいいこともあるのかもしれませんね。
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棘の道 (Aki)
2008-11-16 01:30:25
高橋選手引退には寂しさを感じました。超売れっ子歌手が、殺人的スケジュールや、管理されることへの反発から引退したり、人気アナウサーがテレビ局をやめ、フリーになったり、野球選手が大リーグに挑戦したり・・結果、フェイドアウトしてしまうのと、共通の挫折観を感じました。戦争で、子供の頃のつぐないができなくなった秀作『つぐない』と、つぐなえた今作。スポコン・青春・恋愛作品と、人生作品。【重み】が異なる両作ですが、優秀だが、未熟なモノの育成には、監視・管理・保護が必要。今作は【監督=男の子の親がわり】が仲介し、解決しましたが・・自己過信が全ての根元かな~と思いました。
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重み (kossy)
2008-11-20 02:38:10
>Aki様
引退・・・一般人だったら定年退職がそれに当たるのでしょうか。人生の終焉とまではいかないけど、退職後に一気に老いてしまうのも悲しいです。
『つぐない』と比較するなんて、わかりやすいですね~背負ってるものがある人生とそうでない人生だったら、ない方を選びたいけど・・・
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定年退職 (Aki)
2008-11-20 08:37:24
老けるかどうかは別として、定年退職は、むしろ【完走・完全燃焼】のイメージ。引退は、【挫折・リタイア・不完全燃焼】のイメージです。今作では、子供の頃、なぜ、泳げないくせに、船上の端に立つような、心理だったのか?明確な説明・エピソードがなかったのでよくわかりません。命の大切さ・重みをしらなかったのか?生への執着がうすかったのか?自殺願望があったのか?親をあわてさせたかったのか?また、そんな心理状態の子供から、なぜ親は目を離したのか?なぜ船頭は海を甘く見たのか?誰が船頭の息子が少女を恨むような話し方をしたのか?罪の発端は少女の未熟さと、親・大人の怠慢。。
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スポーツ選手 (kossy)
2008-11-23 20:38:12
>Aki様
スポーツ選手だった経験がないので気持ちまではわからないけど、なるほど挫折ですかぁ。。。寂しい!

モンスターペアレントという言葉が流行るような現代ではありますが、昔はもっと放任主義家庭も多かったような。まぁ、子供がやったことですから・・・
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