『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観た時ほどの衝撃度は無かったが、マスコミで宣伝しているほどブッシュ批判に徹しているとも思えず、むしろ後半の反戦色を全面に出した、考えさせらるドキュメンタリー映画としての印象が強い。
前半はブッシュ親子のダーク・サイド、すなわち大統領選挙の不透明な部分やビン・ラディン一族との関係、といったブッシュ批判に終始しているのだが、単なる共和党に対する政治批判に利用されるためだけのプロパガンダのような内容。また、これを逆手に取って共和党側でも選挙利用されてもおかしくないほど政治的戦略が見え隠れする。
しかし、後半のイラク戦争が中心となった展開は、政治イデオロギーを超えた戦争の無意味さと本土決戦を経験していないアメリカの贖罪さえもうかがえるのだ。それは対照的な描写(同時多発テロの場面は映像がなくなり、イラン戦争では悲惨な光景を映す)によってわかるように、テロによる被災者意識を軽減してイラク戦争にのみ焦点を当てているからだ。そして、兵役に駆り出されるのはいつも貧困層や黒人なのだという事実や、「戦争が何故起こるのか?」といったテーマについて観客にヒントを与えてくれるのです。
日本人の一人としてこの映画を観るときには、対岸の火事のようにとらえることによって「ブッシュは馬鹿だ」とか「米民主党に勝利を」などと短絡的に考えるのではなく、日本における政治・戦争の問題を真剣に見つめなおすことが重要だと思う。
前半はブッシュ親子のダーク・サイド、すなわち大統領選挙の不透明な部分やビン・ラディン一族との関係、といったブッシュ批判に終始しているのだが、単なる共和党に対する政治批判に利用されるためだけのプロパガンダのような内容。また、これを逆手に取って共和党側でも選挙利用されてもおかしくないほど政治的戦略が見え隠れする。
しかし、後半のイラク戦争が中心となった展開は、政治イデオロギーを超えた戦争の無意味さと本土決戦を経験していないアメリカの贖罪さえもうかがえるのだ。それは対照的な描写(同時多発テロの場面は映像がなくなり、イラン戦争では悲惨な光景を映す)によってわかるように、テロによる被災者意識を軽減してイラク戦争にのみ焦点を当てているからだ。そして、兵役に駆り出されるのはいつも貧困層や黒人なのだという事実や、「戦争が何故起こるのか?」といったテーマについて観客にヒントを与えてくれるのです。
日本人の一人としてこの映画を観るときには、対岸の火事のようにとらえることによって「ブッシュは馬鹿だ」とか「米民主党に勝利を」などと短絡的に考えるのではなく、日本における政治・戦争の問題を真剣に見つめなおすことが重要だと思う。
私のblogは映画専門じゃあ無いんですが
ここは大変参考になります。
見方が違うというか・・・
これからもどんどんTバックさせていただくので
よろしくお願いします。
正直言って、この映画についての評価は難しいですね。
多くの人が観た方がいい!という意味をこめて、高評価にしてしまいました。
確かに前半なんかは、理解しがたいですもんね。
しかし、実際観てみないとわからないものです・・・
なんかトラバするばっかりで,コメント載せてなかったような気が・・・.
遅くなりましたが,コメントを.
>「ブッシュは馬鹿だ」とか「米民主党に勝利を」などと短絡的に考えるのではなく
ってとこ,本当に思います.この映画を観てそういう考えが出てきたのだとしたら,ちょっと考えが浅すぎだと思います.
ブッシュが攻撃目標になってますが,後半の部分は米国全体が抱える問題で,ブッシュ云々ではなく,米国全体が考えなくてはならないと思います.
ただ,絶賛している方々が,そこまで考えているかどうか.
俺の方も感想コレクターになっていた感があります(笑)ちょっと反省してます。
はっきり言って、普通の反戦ドキュメンタリー映画に笑いを持ち込んだだけの映画です(ま、それがすごいことなんですけどね・・・)。
ムーア監督も、確かに民主党寄りではあるけれど、敢えて攻撃対象をブッシュ一人に絞っているので、政党プロパガンダというイメージは無かったと感じました。
結局、政治色が強くなるというのは、この映画を利用しようとする人たちがいるからなんですよね・・・
それにしても、純粋に反戦を謳った映画でも「反日左翼」と決め付けられてしまう世の中の風潮は、どうにかならないんですかねぇ~
というか、自身が表現しきれなかったり
概念化したり固形のideaにならなかったものを目にできたきがします。
ありがとうございます★
トラバ有難うございます。
軍需産業で潤った10年前を(ブッシュの父の手法を)再度狙った戦争だったのでしょうが 思わぬ長期戦となり 被害者が増える一方。
映画が大統領選に多少なりとも影響することは 祈らずにいられません。
私はこの映画をプロパガンダ作品だと決めてかかる表現をしてしまいましたが、「貧しい若者が兵士として駆り出され犠牲になってしまう」という事実を訴えるのはムーア監督独自の視点ですね。彼は朝日新聞のインタビューで「徴兵制を復活させるべきだ」と語っていたのは興味深いことです。
下手くそな文章ですが、これからも遊びにきてください。
>niceさま
大統領選も気になるところですよね~
また不正が行われないことを祈るばかりです。
>朱雀門さま
ムーア監督が、アメリカで「徴兵制を復活させるべきだ」と語ったことは、多少ジョークも含まれていると思いますが、軽率だったのでしょうね。
彼の視点で考えれば、議員や金持ちの子供が軍隊に入っても、前線には派遣されないような工作をする力があるハズですもんね(笑)
はじめまして。
また別記事で感想書きましたんで。
お暇なら見てやってください。
どうにも評価という点では難しい映画。
見る人によって感じるとこがかなり違うようなんで。
考えさせられる人もいるし。
映画としてつまんないっていう人もいるし。
まぁ映画見て色々意見が出る時点でムーアとしては成功でしょうが。
この映画の評価はもうちょい先になってからでないと何ともいえないのかも。
大統領選もありますしね・・・。
個人的には好きな映画です。
日本人に国際政治への関心を持たせた功績は大きいのではと思います。