ネタバレ映画館

映画ドットコムに記事を移行してます!

ダンケルク

2017-09-11 13:24:23 | 映画2017
 1940年、フランス北端の海沿いの町ダンケルク。ドイツ軍に包囲され、逃げ場を失った英仏連合軍40万人が決死の覚悟で撤退する物語。イギリス人兵士トミー(フィオン・ホワイトヘッド)の視点を中心に陸の1週間、パイロットたちの空中戦を1時間で切り取った空、そして彼らを救おうとする民間船の1日を描く海を時系列をバラバラにして、最後には1つに帰結するという作品だ。

 トミーは市街戦で仲間を失い、帰還のために兵士たちが集まった海岸へとたどり着く。寡黙な青年と行動を共にし、負傷兵を担架で運んだりして船に乗り込もうと努力する。早く船に乗り込みたいがために桟橋の陰に隠れたりして、姑息な手段も厭わないのだ。

 最新鋭スピットファイアのパイロット、ファリアー(トム・ハーディ)は味方の撤退を援護すべく、ドイツ機と空中戦を繰り広げる。一方、民間船の船長ドーソン(マーク・ライアンス)は息子とともに危険を顧みず、ダンケルクを目指す。

 時間軸の妙があり、同じ場面を多角的にとらえていたり、どういう風にまとまっていくのかというサスペンス。ドイツ兵がほとんど映らないという恐怖感も相まって、スクリーンの中に引き込まれる臨場感もありました。空以外は撤退劇、救出劇なわけで、こちら側から攻撃することはありません。戦況もさっぱりわからないけど壊滅的な状況ということだけわかるという、観客もほんとに逃げ出したくなる手法で描かれてます。

 セリフが極端に少ないのも特徴の一つであり、その効果もあって、どっぷりと映画に浸れました。ようやく傍観者として観ることができたのはイギリス本土にたどり着いた後。逃げ帰ったことがどういう評価になったのかを知ると、ホッとできるはず。


★★★★・

コメント (14)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スキップ・トレース | トップ | 三度目の殺人 »
最新の画像もっと見る

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (BROOK)
2017-09-11 16:40:48
今までの戦争映画とは一線を画すような作品に仕上がっていましたね。
撤退作戦でここまで濃密に魅せてくれるとは…。

たしかに台詞を極力排除したのも緊張感を増す要素だったと思います。
最後まで緊迫感溢れる展開でした。
返信する
攻撃 (kossy)
2017-09-12 10:05:29
>BROOK様
いつもコメントありがとうございます。
従来の戦争映画と違いますよね~
とにかく逃げの一手!攻撃せず!

体感型映画とどなたかおっしゃってましたが、
まさしくその通り。
緊迫感味わえましたね。
返信する
こんにちは (yukarin)
2017-09-12 13:34:42
ドイツ兵を出さない所が怖さがありましたよね。
冒頭から緊張感ある展開で引き込まれました。
臨場感ある映像はさすがノーラン監督ですね~
観るより体感する作品でした!
返信する
ドイツ兵 (kossy)
2017-09-12 22:37:42
>yukarin様
ドイツ兵出てきませんでしたね~
出てこないから恐怖心を煽られたというか、
不気味な感じすらしました。
体感型戦争映画ってのも
ノーラン監督の手腕でしたね!
返信する
こんばんわ (にゃむばなな)
2017-09-14 00:08:15
クリストファー・ノーラン監督は大金を使って、こんなにもインディペンデント魂の籠った作品を撮れちゃうんですから、これでオスカーをまだ手にしていないのが逆に不思議なくらいですよ。
返信する
オスカー (kossy)
2017-09-14 08:07:53
>にゃむばなな様
たしかに作品賞も監督賞も取ってないですよね。
この映画でもメインでは賞レースから外れそうですし、
どうせなら『ダークナイト』でとっちゃえば良かったのに・・・
返信する
困惑から没入へ (メビウス)
2017-09-17 21:26:13
kossyさんこんばんわ♪TB有難うございました♪

陸海空のパートをそれぞれの時間軸で描いていく見せ方こそ最初は困惑する部分もありましたが、後半に進むにつれてその時間軸や主要のキャラクター達が徐々に交わっていく展開は、戦争映画と言うジャンルでは珍しい見せ方のようにも思えましたね。・・まあ自分は戦争映画苦手であんまり多く観てないからそう思えたのかもしれませんが、ノーラン監督のそうした演出は苦手意識のある自分でもかなり見入ってしまうものがありましたね^^
返信する
陸海空 (kossy)
2017-09-18 13:49:57
>メビウス様
陸海空の時間軸というのについていけるかどうか心配してましたが、
なんとかついていけました(汗)
戦争映画を描きつつも、
時間軸をいじくって楽しませてくれましたよね~
戦争映画としてだけ見ると、ちょっと物足りないとは思いましたが、
逃げるだけの内容が特異で面白かったです。
返信する
ノーラン監督 (iina)
2017-09-20 13:12:37
クリストファー・ノーラン監督なのに no run なことはなく、走り続けるのでした。

しかも、CG多様するのがお手のものな監督なのに、ほとんどを実写にこだわり、撤退劇 救出劇に、ドイツ兵がほとんど映されずに恐怖感を煽られつづけたのも、後で知る裏話でした。

返信する
実写 (kossy)
2017-09-20 17:34:40
>iina様
ノーラン監督のこだわりも良かったですよね。
実写率99%でしたっけ?
こんなこだわりと独特な演出は他にないような気がします。
IMAX経験したくなりました・・・
返信する

コメントを投稿

映画2017」カテゴリの最新記事