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フリージア

2007-05-10 22:41:21 | 映画2007
 ピーマンとタマネギを食べ残すと痛覚が鈍るんだから・・・

 公式サイトから飛んでみると、敵討ち法の是非についてのアンケートではYESと答えた人が55%に達しているようだ。映画の設定では戦時下だということなので、何でもアリのような気もして仕方がないのですが、本筋でもある軍部による瞬間凍結爆弾実験に関しては問題点が多すぎる。敵討ち法対象者は当然軍上層部にあるわけだから、そこまで司法の手が伸びない限り、上官の命令に背くことのできない一兵卒が対象とされるのは逆恨みもいいところだ(わざとらしく、孤児を引率した兵士が最高責任者の息子だという設定にも納得できない)。こうした法の問題点は、結局は遺族の個人的感情と周囲の同情心に左右され、悪の根源が無罪放免となるところにあると思われます。

 と思いつつも、復讐劇は好きだし、CR必殺仕事人も好きだし、復讐の連鎖を断つことがテーマとなっている映画・ドラマにも共感してしまう。この映画にしたって、爆弾実験の犠牲者が軍の上層部に闇の執行人を送るなどという展開になれば拍手喝采ものだったと思うのです。また、法律のルールに関しても問題点が多過ぎで、執行対象者が選んだ警護人が凄腕のガンマンだったら返り討ちに遭うだけでなく、国費の無駄遣いとも非難されかねないのです。

 テーマとしては大いに考えさせられる内容だったのですが、映像が暗く、撮影や編集技術も脚本もアマチュア映画かと思ってしまうほど(なぜかVFXにプロを感じたが)。俳優は頑張っていたのに、緊迫感がない展開や脚本に奥深さがないところが残念でした。ただ、執行人の冷酷非道とも思われる溝口(三浦誠己)や、人命を尊重する考えに変わる山田(柄本佑)の心理描写などは興味深いところだったし、制度そのものに対する考えが対立しているところが面白い。トラウマによって痛みを感じなくなった主人公の叶ヒロシ(玉山鉄二)のニヒルさも捨てがたいところだ。

 殺してしまいたいほどの加害者。司法に頼って解決するのならば、死刑という手段と同じだと思うのですが、やはりココは裏の稼業仕事人に頼るのが一番ではないでしょうか・・・

★★・・・

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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アマチュア (kossy)
2007-05-16 00:38:07
>しん様
さすが映画製作にたずさわる方のご意見は一般人とは違って説得力がありますね~そうやって思い出してみると、ガンアクションには文句のつけようがなかったかもしれません。これがアマチュア魂、こだわりの映像だったわけですね。
脚本さえしっかりしていれば良かったですね。

>ミチ様
近未来さは全く感じられなかったですよね(笑)
俺の評価が下がってしまった一つの原因は、その日常社会と変わらぬ中でのエキストラたち。演出も上手くなかったのでしょうか・・・
ガンアクションだけに注目していたら楽しめたのですね。しまったぁ・・・
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こんにちは♪ (ミチ)
2007-05-11 19:37:03
玉鉄くんと西島くんのガンアクションにほうっと見入ってしまいました(笑)
「ただいまから敵討ち法を開始しますので云々~」というスピーカーからの安っぽい声とか、ブルーシートで囲っての事後処理が普通の下町で行われていたので近未来というよりも現代という感じでしたよね。
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アマチュア魂 (しん)
2007-05-11 02:09:03
汚らしい世界をちゃんと汚らしく撮るところと、四の五の言わずとにかくガンアクションしたいんだよーーんと開き直ってる感じとか、やりたいことを独自の映像に仕上げているところはいかったと思います
かなり安っぽいですけど、自主に毛が生えた程度なところが微笑ましかったです。
脚本はダメダメのぐだぐだでしたねえ
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