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わが故郷の歌

2004-08-26 23:27:30 | 映画2004
 イラクによるクルド人大量虐殺の事実、イランでは女性は人前で歌ってはならぬということ、ゴバディ監督の様々な思いが伝わってくる。ストーリーとしてはちょっと風変わりなロードムービーであり、それほど面白味のあるものではないのだが、旅の途中で出会う人々がとてもユニークで面白いのだ。

一夫多妻制である社会と自由のない女性社会。空にはイラク軍のジェット機が騒音を生み出している。また、難民に紛れて盗賊が多く出没し、犯罪に溢れている暗い世の中になるはずなのに、クルド人はたくましく大らかに生きているのである。

難民孤児を教えるアヴァート先生は、子供たちに飛行機について教えている。このシーンで、科学の発展がもたらす良い面と悪い面を淡々と教えていて感動的だった。全体的に、戦争とその副産物に対し激しい怒りを民族音楽に絡めて訴えていて、国境近辺の銀世界と空の色がクルドの心を描いているかのようだった(中東の雪の世界にもびっくりしたのだが・・)。

 平凡な評価になったのは、後半、サダム一人に怒りをぶつける台詞が多くて、『華氏911』を観た後では、ちょっと引いてしまったため。化学兵器によって・・・なんて台詞も多く、まるでブッシュが作った映画なんじゃないかと勘違いしてしまいそうだった・・・★★★
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