半年で村人の一割以上が死んでいる?
このドキュメンタリー映画がマスコミで紹介されてから観たくてしょうがなかった。「ショッキングだ」とか「おぞましい!」とか「とにかく観ておくべきだ」などと言われると、無知のまま一生を終えるのではないかという危惧さえおぼえたものだ。しかし、マスコミが騒ぎ立てるほどの作品だったかと訊かれるとそうでもなかったような。社会問題を勉強するにはいい映画だった・・・といったところか。
期待していたのは「風が吹けば桶屋が儲かる」といった、外来種である肉食魚ナイルパーチの放流によって引き起こされる壮大な食物連鎖の悪循環が描かれるのではないかということでした。たしかに前半では魚加工業・輸出業が潤い、それに伴って失業者の増大、ストリート・チルドレン、エイズ、ドラッグの蔓延といった荒んだビクトリア湖周辺地域の現状が映し出されていました。しかし、こうした社会問題は世界中どこでもあることであり、この事実に驚嘆するようであれば自国の悲惨な現状を知らないことの裏返しなのかもしれない。日本だって格差社会が大きな問題となっているだけに、他人事ではないはず・・・公開時のマスコミの騒ぎ方を思い出してみると国内の問題を棚上げしてアフリカに目を逸らさせようとしていただけのような気もしてきます。
さすがに後半に入ると、ヨーロッパからやってくる加工魚の輸送機が空荷でやってきていたわけではないと判明する。しかも工場建設のための援助の見返りに利益のためだけにアフリカを食い物にしている悪の構造も描かれていて、ナイルパーチだけが原因ではなかったこともわかってくる。もっと突っ込んだところまで描けば、さらに凄まじい作品になったんでしょうけど、タンザニアにとってもヨーロッパ諸国にとっても都合が悪いのだろうし、このあたりが限界なのかもしれません。
片目をアンモニアガスで失った女性、片足を失った少年、暴力の絶えない日常。金がないためナイルパーチの美味しい部分を食べられない村人。そして、日本へもこの魚が輸出されているといったことなどが印象に残ります。終盤になると、戦争論みたいな部分もあったりしましたが、グローバル経済や無策の政府に関することとともにもうちょっと突っ込んでもよかったかもしれません。
★★★★・
このドキュメンタリー映画がマスコミで紹介されてから観たくてしょうがなかった。「ショッキングだ」とか「おぞましい!」とか「とにかく観ておくべきだ」などと言われると、無知のまま一生を終えるのではないかという危惧さえおぼえたものだ。しかし、マスコミが騒ぎ立てるほどの作品だったかと訊かれるとそうでもなかったような。社会問題を勉強するにはいい映画だった・・・といったところか。
期待していたのは「風が吹けば桶屋が儲かる」といった、外来種である肉食魚ナイルパーチの放流によって引き起こされる壮大な食物連鎖の悪循環が描かれるのではないかということでした。たしかに前半では魚加工業・輸出業が潤い、それに伴って失業者の増大、ストリート・チルドレン、エイズ、ドラッグの蔓延といった荒んだビクトリア湖周辺地域の現状が映し出されていました。しかし、こうした社会問題は世界中どこでもあることであり、この事実に驚嘆するようであれば自国の悲惨な現状を知らないことの裏返しなのかもしれない。日本だって格差社会が大きな問題となっているだけに、他人事ではないはず・・・公開時のマスコミの騒ぎ方を思い出してみると国内の問題を棚上げしてアフリカに目を逸らさせようとしていただけのような気もしてきます。
さすがに後半に入ると、ヨーロッパからやってくる加工魚の輸送機が空荷でやってきていたわけではないと判明する。しかも工場建設のための援助の見返りに利益のためだけにアフリカを食い物にしている悪の構造も描かれていて、ナイルパーチだけが原因ではなかったこともわかってくる。もっと突っ込んだところまで描けば、さらに凄まじい作品になったんでしょうけど、タンザニアにとってもヨーロッパ諸国にとっても都合が悪いのだろうし、このあたりが限界なのかもしれません。
片目をアンモニアガスで失った女性、片足を失った少年、暴力の絶えない日常。金がないためナイルパーチの美味しい部分を食べられない村人。そして、日本へもこの魚が輸出されているといったことなどが印象に残ります。終盤になると、戦争論みたいな部分もあったりしましたが、グローバル経済や無策の政府に関することとともにもうちょっと突っ込んでもよかったかもしれません。
★★★★・
ファミレスなんかの白身魚フライなどはもしかして・・・・(汗)
何がどこでどう繋がっているのか、複雑すぎてわかりません。
どうしていいのかも分かりません・・・。
確かにマスコミが煽るほどではなかったかもしれませんが、見ておいてよかったと思いました。
この映画、ものすごく話題になってましたね。「見ておかないと」と思ったものです。
しかし、私が頭悪いのが原因だとは思うのですが、焦点がイマイチ絞れてなかったような気がします。
言おうとしていることが大事なことだ、というのはわかるのですが、いかんせんメリハリが少なかったような気がします。
だって、私も眠かったけれど、周りの人もみんな眠ってましたし、劇場出たところでも、若いカップルが「ねっむ~~」って言ってましたもん。
これはこれで興味深い作品だったとは思いますが、
一部のドキュメンタリー映画ばかりが極度に注目されるのは私もちょっと気になります。
本作とか、「不都合な真実」とかばかりが。
観て知って考えることのできるドキュメンタリー映画は日本国内にもたくさんあるはずなのに、すべては話題になっているかどうかにかかっているんですよね・・。
ということを今年の初めに「六ヶ所村ラプソディー」を観た時に思ったりしました。
マスコミが大きく取り上げていたことすら知らなかったですが、見て良かったです。
ドキュメンタリーって、意外に編集の仕方でガラッと変わってしまいますが、上手い作りだったと思います。
内容ももちろんだけど、サスペンス仕立てというのでしょうか?その良し悪しは別の問題としても、引き込まれましたし。
最近は食品表示の義務が厳しくなりましたからね~
白身魚のフライなんていうと、結局なんの魚かわかりませんけど、今はどうなってるんでしょ・・・スーパーへ買い物にも行かないのでわかりません(汗)ファミレスなんかは規制が甘いのかな。
マスコミが煽った割に全国順次公開だからそれほどヒットもしなかった・・・これも現実ですなぁ。
>kisen様
何を言おうとしているのか・・・最初は外来魚の放流によって様々な社会悪が増大!などということを描いているのかと思ったら、アフリカに武器・弾薬を売りさばくヨーロッパが悪だ!などということにすりかわりましたもん。
まぁ、徐々に明らかになっていたので、こうならざるを得なかったのか。構成をとってみると、やっぱり完成度が下がってしまいますよね~
眠い部分もあったけど、監督の思いが伝わってくるドキュメンタリーでもありました。
>かえる様
『旅するジーンズと16歳の夏』のなかでドキュメンタリー作品を作る女の子がいましたけど、ドキュメンタリーを撮りたい人ってああいう動機からはじめるんだろうな~なんて思っちゃいました。
まぁ、たまたま社会派のドキュメンタリーでいい作品が生まれてきているので流行っちゃったんでしょうけど、なんでもかんでもってのはね~(笑)
隠れた名作ドキュメンタリーなんて日本にもいっぱいあるけど、なかなか上映されないだけ・・・NHKBS2あたりで色々やってくれないかなぁ・・・
>たいむ様
これが監督の初長編作品でしたっけ?
初めてとは思えないほど、訴えたいことがビシビシ伝わってきましたね~
気に入ったのは「輸送機は来るときに何も積んでないのか?」と何度も質問するという伏線がいい感じで決まってましたね!最初からずっと気になってしまうような構成でした~
>カヌ様
限界を感じましたよね。
もしかすると撮っていたけど、カットせざるをえなかったとか、そんな気もしました。社会派ドキュメンタリーを作るってことはそんな障害も乗り越えなきゃいけないんですね・・・大変だと思います。
http://tenant.depart.livedoor.com/t/world-selection/item1916256.html
映画としては、反論も有りましたので、真実は何処にあるかはわかりません。時間を作ってみてみてください。
http://jatatours.intafrica.com/habari49.html
ふむふむ、美味しそうですね・・・
しかし、この映画を観た後で食べることができるのであろうか・・・
映画館でも食べながら鑑賞というご婦人がいらっしゃいましたが、途中から食べてる気配が消え去りました。
この映画の反論なんていくらでもできそうですけど、悲惨な現状なんてアフリカ以外にもあるってことを忘れちゃだめですよね。ちらっと読ませていただきましたが、お嬢様、お姫様のような生活をしている方にとってはショッキングでしょうなぁ・・・(苦笑)
しかし、世界各地の戦争・貧困・飢餓・難民問題・第三国による武器輸出も現実の大大大問題。
服もない村・・仕事さえあれば・・教育を受けたい・・飢餓・エイズでの死亡・・戦争があればいい等のインタビュー・映像・音声はインパクト大。
少なくとも、豊かな日本を、実感するには、十分。本作や『不都合』は映画館で眠いといってたカップル・小学生・中学生・高校生学生向けに、学校で鑑賞し、【今、あるいは、将来、個人でできることは?】と考える時間をもってほしい・・と思いました。
日本の社会問題を取り上げるようなドキュメンタリー映画は少ないですよね。というか、まだまだ知らないだけなのかもしれないけど・・・
テレビと違って、映画には上からの情報操作はそれほど無いなずなんですけど、マスコミまでが真剣に取り上げるとどうも胡散臭くなってしまいます。
学校でこの映画を上映すると、色んな、突飛な感想も出てくるんでしょうね~。子供の頃からこうした社会問題に関心をもたせる教育ができると、日本もいい国になるんでしょうけどね・・・