判事にも何か後ろめたいことがあるはずだ!・・・そう、人肉喰ってます・・・
1949年にアメリカで公開された『オール・ザ・キングスメン』の脚本・監督のロバート・ロッセンは『グッドナイト&グッドラック』でもお馴染みのハリウッドの“赤狩り”の犠牲になった人だ。オリジナル作品は民主主義であるはずのアメリカ暗部を描いていたため、日本でも公開されたのが70年代に入ってからとなった。今リメイク作では時代も人物設定も同じではあるものの、多少オブラートに包まれたかのようにウィリー・スターク知事(ショーン・ペン)の独裁者ぶりはおとなしくなっていたように感じました。しかし、その政治的・社会的なメッセージは重く、質を落とすことなく見応えのある映画となっています。
オリジナルでは新聞記者ジャック・バーデンと元恋人アンの心理描写はそれほど克明ではなかったので、今回の鑑賞によってそれぞれの登場人物の関係が掴みやすくなってたのは良かった点です。一方、腐敗政治・独裁的知事の悪魔ぷりはそれほどでもなく、ショーン・ペンのヒトラー然とした鬼気迫る演説シーンが印象に残るだけでした。圧倒的な民衆の支持を得て、貧乏人のための政治を強調する演説。最初は歓迎すべき政治家だと感じるのですが、徐々に権力にしがみつく醜さが浮き彫りにされる展開には震えさえ起こるほどです。
『ホリデイ』では兄妹の関係。この映画では元恋人同士のジュード・ロウとケイト・ウィンスレット。何が二人を深い関係から遠ざけてしまったのかは複雑なのでしょうけど、「やっておけばよかった」と後悔するジュード・ロウの姿には共感を覚えてしまいます。そしてケイト・ウィンスレットの兄役であるアダム(マーク・ラファロ)の旧友への想いや政治家への憎悪などはとてもわかりやすく描かれていました。
今リメイク作ではショーン・ペンが主演となっているけど、旧友・恋人・判事(アンソニー・ホプキンス)に対する複雑な思いや政治に対する冷静な心理描写を考えると、むしろジュード・ロウが主演であるような気がします。ショーン・ペンは映画での活躍よりも、数々のブッシュ批判コメントのほうの活躍が目立ちます。もっと吼えて暴れてほしいと願うのは不謹慎でしょうか・・・
★★★★・
1949年にアメリカで公開された『オール・ザ・キングスメン』の脚本・監督のロバート・ロッセンは『グッドナイト&グッドラック』でもお馴染みのハリウッドの“赤狩り”の犠牲になった人だ。オリジナル作品は民主主義であるはずのアメリカ暗部を描いていたため、日本でも公開されたのが70年代に入ってからとなった。今リメイク作では時代も人物設定も同じではあるものの、多少オブラートに包まれたかのようにウィリー・スターク知事(ショーン・ペン)の独裁者ぶりはおとなしくなっていたように感じました。しかし、その政治的・社会的なメッセージは重く、質を落とすことなく見応えのある映画となっています。
オリジナルでは新聞記者ジャック・バーデンと元恋人アンの心理描写はそれほど克明ではなかったので、今回の鑑賞によってそれぞれの登場人物の関係が掴みやすくなってたのは良かった点です。一方、腐敗政治・独裁的知事の悪魔ぷりはそれほどでもなく、ショーン・ペンのヒトラー然とした鬼気迫る演説シーンが印象に残るだけでした。圧倒的な民衆の支持を得て、貧乏人のための政治を強調する演説。最初は歓迎すべき政治家だと感じるのですが、徐々に権力にしがみつく醜さが浮き彫りにされる展開には震えさえ起こるほどです。
『ホリデイ』では兄妹の関係。この映画では元恋人同士のジュード・ロウとケイト・ウィンスレット。何が二人を深い関係から遠ざけてしまったのかは複雑なのでしょうけど、「やっておけばよかった」と後悔するジュード・ロウの姿には共感を覚えてしまいます。そしてケイト・ウィンスレットの兄役であるアダム(マーク・ラファロ)の旧友への想いや政治家への憎悪などはとてもわかりやすく描かれていました。
今リメイク作ではショーン・ペンが主演となっているけど、旧友・恋人・判事(アンソニー・ホプキンス)に対する複雑な思いや政治に対する冷静な心理描写を考えると、むしろジュード・ロウが主演であるような気がします。ショーン・ペンは映画での活躍よりも、数々のブッシュ批判コメントのほうの活躍が目立ちます。もっと吼えて暴れてほしいと願うのは不謹慎でしょうか・・・
★★★★・
判事は脳味噌を特に好むらしいですね(笑)
オリジナルは未見ですので、この映画は、ウィリーのダークサイドに焦点を当てた映画だと思って鑑賞しました。
ですが、そこらへんは伝わってこず、ジャックが主体になってしまって。。。わかりにくい作品になったと思います。
それにしても。。。ジャックは何で据え膳食わなかったんでしょう?
私のブログで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。
紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/gomamint2011/archives/50134916.html
です。
kossyさん、こんばんは。
私も、オリジナルは全然知りませんが、予告を見てもっと期待していた一人です。
なんだかわかりづらい話になっていたと思います。
ショーン・ペンが「正義感に溢れた貧乏人の代表」から、「権力に溺れてしまった人」になるまでをもっと露骨に描いてもよかったのではないでしょうか。
どこか上品な感じに仕上がってましたね。ジュード・ローやアンソニー・ホプキンスが上流階級という設定なので仕方がない面はあるのでしょうが・・・。
しかし、ケイトがすごく魅力的できれいでした。マーク・ラファロもここのところ、よく見かけますね。
最後の血が混ざる描写はうまいと思いました。
あの脳味噌を食うシーンは一生記憶に残りそう。と同時にレイ・リオッタ可哀想・・・
ウィリーのダークサイド・・・オリジナルではまさしくそんな感じ。ジャックなんてほとんど目立ってませんでした。
このリメイクではオリジナルとは趣向を変えて、人間関係を重視する映画になってました。俺の点数が高いのもオリジナルを知ってたからか・・・・
>kisen様
据え膳食わなかった・・・あの心理描写は難しいところでしたね。一度は結婚してたみたいだし、肉体的ではなく精神的な原因なんだろうけど・・・
オリジナルを観てない人はことごとく評価が低いようです。というか、なぜオリジナルがアカデミー賞を取ったのかわからないですよね・・・これじゃ。
ウィリー・スタークスが悪魔のように悪徳政治家に変貌を遂げる姿が評価されたんだろうけど・・・リメイクではそのあたりが弱すぎ。
もし機会があれば、オリジナルもご覧になってはいかがでしょうか?ただオリジナルでは人間関係がよくわからなかったりしますけど(笑)
民主主義の暗部でもありますね。ウィリーの汚職と独裁にはまっていくのは見ものでしたが、初めからその素質があったような…
それにしても、初めの一文は笑わせていただきました。私はあのシリーズはグロすぎて、「羊」一作だけしか見てません。
初めから素質があった・・・今思うと、映画のコピー「善は、悪からも生まれる」がそれを表しているんですね。どうもオリジナルの先入観が邪魔してしまったようです(汗)
『ハンニバル・ライジング』も面白かったですよ!グロい部分が好きというわけじゃなく・・・
王を殺したのは・・王ですね。
善悪・表裏・利害関係・権力・誘惑・固執・何を求めていたのかすらわからなくなる心理。
見事に表現され、役者陣が魅力的でした。
原作が、アカデミー賞受賞、R.ロッセン監督が赤狩りの犠牲に、日本への配給は20年も経た1970年代、そして、今、ブッシュ批判のショーンペンが、ヒューイ・ロングを演じること、作品に重厚さを加え、まさに歴史は繰り返すと感じました。
kossy様が『ボビー』でR.ケネディーが当選していたらと・・と危惧されていたのは、上流階級の彼が、貧困層の為など、ヒューイよりも票集めの為と見え見えだからでしょうか?
権力をつかんでしまうと、どんなに善良な人であっても変わってしまう。この映画のキャッチコピーもそんなことを意味してるんでしょうけど、その深層心理まで推し測るのは難しいですよね。
赤狩りの時代には人間不信になってしまうことが多かったんでしょうけど、人間にはいつだって悪意が潜んでると疑心暗鬼になりすぎるのも問題ありか・・・
RFKが当選していても、さまざまなしがらみから逃れることはできないだろうし、自分の意志に反する行動も出てくるでしょうね・・・と、それに打ち勝つ強い心があればいいんですけど。
現在の選挙方法では、永遠にシガラミを、断ち切ることはできませんね。
皆、自分の利益になるようにしか動かない。というセリフも印象的でしたが・・
利益を生むためなら方法は問わず、
ダーティーだろうが誰が出そうが金は金、
俺より悪い奴がいるからなんて、
悪魔に魂を売るようなもの。
しかし、魂を売っても、助かりたい、切実な貧困層問題。
アメリカって本当に腐敗してる。
住宅貸し付け問題もあるし、50年後のアメリカは、どうなっているのでしょうか。。
妻に勉強を教わりながら、覚えられないよ、俺なんてどうせダメだよ、と、泣き言を言う、
真面目で、優しく、勤勉だが、妻の尻に敷かれ、甲斐性なしの男が、
雄弁で、自身に満ち溢れた独裁者に変貌し、
利用できるモノなら家族ですら利用し、人の弱味を集め、買収・脅迫・殺人も犯す悪魔と化す。
悪いコトだと知りながら、興奮し、高揚し、手放せなくなる、中毒。
お酒もシカリ。
見事な描写!!
オリジナルを観るとリメイクは、ヒューイロングの引力不足で、彼の側にいる理由が、必要になってしまった観アリ。。