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午後の五時

2004-09-06 23:00:37 | 映画2004
 主人公ノクレの持っている傘とブルカの色がアフガンの空と融合して、とても映えていた。
 舞台となった土地の建物には米軍が空爆によって残していったと思われる爪痕が痛々しく写り、荒涼とした砂漠とパキスタンからの難民や、水がなく地雷が埋まっている現実を再認識させてくれます。。しかし、大統領を夢見る少女がブルカをめくり上げた時の笑顔に一縷の希望が見出せるのだ。
 午後の五時という悲しい詩と、馬に人間と同じように話し掛けるお父さんの対比が物悲しさを醸し出すうえ、ライバルであったミナや身内の爆死がまるで日常茶飯事であるかのような描写。大統領を目指すという溌剌とした元気の出る映画かと思っていたら、とんでもないしっぺ返しを食らってしまう。これが現実なんだと訴えるようなドキュメンタリータッチの作風がいきなり現われることにとまどってしまい、全体としてはバランスが悪い。しかし、今後も期待できる女性監督だと感じました。

見所は、「エンジニアになりたい人は?」の問いに何人もの生徒が立ち上がり、また座る・・・もぐらたたきゲームそっくり。

2003年カンヌ国際映画祭審査員賞
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