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海を飛ぶ夢

2005-06-06 22:32:49 | 映画2005
 生きることが“義務”と感じているラモン。確かに健常人である者からは理解しがたい心の葛藤があるのだろうけど、家族や周りのフリアやロサに感情移入してしまったかも・・・

 鑑賞順が逆になったというのも原因なのか、この主人公ラモンにそれほど共感できなかった。というのも、彼を死なせたくない兄や兄嫁、そして父親。ラモンを生かせることに生きがいを感じている人間だっているのです。したがって、鑑賞中はずっと家族を応援していました(甥っ子除く)。そして、自身も障害者である神父に「家族に愛情が足りない」などと言われた時は、「頑張れ!家族!反論してくれ!」と拳を握りしめたくらい怒りを感じました。

 なんと言っても、痴呆症と診断される女性弁護士のフリア。彼女が倒れたシーンが一番泣けたのです。もちろん一途な愛で彼女を支えるフリアの夫にも感動しました。また、生きる自信・目的を失いかけていたDJロサが工場閉鎖で打ちひしがれている姿も泣けたのです・・・こうやって思い起こすと、不思議とラモンに対しては泣かされなかった。結局は自己顕示欲が強かっただけじゃないかとも思ったくらいです。同じ感想を持った人はいないでしょうか?

 実話を元にした社会派ドラマの一面も見せてくれたおかげで、自ら命を絶つ自由について真剣に考えさせてくれる。この点は高く評価できるのですが、認知症となった患者や、植物人間となった患者には意志を伝える手段もないことを忘れてはならないと思う。安楽死を施した医師が殺人罪に問われる社会なんてはどこか狂ってますもんね・・・

日本尊厳死協会 
日本安楽死協会
★★★★・
海を飛ぶ夢@映画生活

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27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
引き続きトラバです (カヌ)
2005-06-07 00:10:29
私は先にこっちを見たので、「ミリオンダラー~」の方がう~んと思うところがありました(^^;
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同感です (nikidasu)
2005-06-07 01:04:16
そんなんですよね。肝心の主人公にはどうも感情移入しきれないのですが、それがもし監督、そしてラモン演じるハビエル・バルデムという二人の30歳代オトコたちのの意図するところであったとするならば、凄いアイロニーとなるのだけど、んなこたぁないですよね。
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鑑賞されたんですね^^ (hartneko21)
2005-06-07 01:58:11
『ミリオンダラー・ベイビー』でトラックバックして頂いた者です。

そうですか…。ラモンには感情移入出来ませんでしたか…。確かに理解するのは到底無理ですもんね…。

でも、私は↑カヌさんのおっしゃている通り、後に観たと言うのもあるんですが『ミリオン~』のほうが簡単すぎるように思えたのです。

私は、あの飛翔のシーンや若い頃を思い出す美しいシーンの映像に鳥肌が立ち泣けてしまったんですよね・・・。

後…周囲の人間の心情もきっちり描いていて、どの人にも共感してしまって、アレハンドロ・アメナーバル監督すごいなって思いました。

長くなってすみません。

またぜひぜひお邪魔させて下さい。お願いします。
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殺す側の苦悩は判るけど、死ぬ側の気持ちは判らないです (しん)
2005-06-07 02:06:52
監督としては、死を願う人間の内面を徹底的に描きたがったんでしょうね。

ラモンよりもその周囲の人間に感情移入するのは、彼らの方が自分に近い存在で、ラモンは実在した人間だけど自分とは明らかに異なる存在だからなんですかね。

それは私も同様なんですが、僕の場合、家族の描き方というか、ラモンと家族との関係が単純すぎて、家族がむしろ不気味に見えました。自殺に反対する兄だけが、理解可能な人間だった。

あと、ラモンとフリアの関係ももう一歩、踏み込んで描いてほしかった。ラモンとロサは良かったですが、あの二人の関係って、フランキーとマギーに通るものがあるな・・・と今、思った。



いつもお邪魔させていただいてます。リンク貼らせてもらっていいですか?
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尊厳死 (kossy)
2005-06-07 10:36:00
>カヌ様

なんとなく順序が逆になると、

評価が若干変わるような2作ですもんね。

鑑賞中はミリオンダラーを思い浮かべてましたもん・・・



>nikidasu様

同意してくださってありがとうございます。

ハビエル・バルデムの演技力はすごいものがありましたので、逆にその奥深い表情のおかげで掴みづらくなってしまいました。

アイロニーとはいかないまでも、「何を考えてるのか当ててごらん」くらいの謎掛けの表情も含んでいたような・・・



>hartneko21様

映像の効果だったのですね。

考えながら観るよりも感覚で観たほうがよかったのだと反省しています。

周囲の人はわかりやすかったですね~



>しん様

どうもありがとうございます。

お返事の前にこちらでもリンクを先走って貼っちゃいました(笑)

実話が元になっているとわかった時点で、やはり死を願うひとの心を表現するのは難しいものなんだと思いました。そして、「自殺するのは簡単だけど、人に認めてもらうのが難しい」という台詞で、“苦しくて直ぐにでも死にたい”のとは違っていたことがわかりました。ここでますます彼の心がわからなくなって・・・

フリアにしても、だんだん痴呆症になっていくのですから、難しいですよね~

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Unknown (へー太)
2005-06-07 10:57:03
私はラモンにもかなり感情移入してしまいましたね。



それ以上に家族の気持ちも痛いほどわかり、家族の愛を受け止めないラモンに対して釈然としない気持ちがありましたが。



色々なところに問題をなげかけるいい作品だと思いました。



トラックバックさせていただきました。
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Unknown (へー太)
2005-06-07 10:59:39
と、思ったらトラックバックがうまく反映されなかったりして・・・
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現実は… (Nジーン)
2005-06-07 15:57:18
はじめまして。私はまだ、この映画を見ていないのですが、新聞の書評で興味を持ちました。そこで面白かったのは、主人公と同じような車椅子生活をする人たちの試写会をしたところ、異口同音に共感が得られなかった、という記事のあったことです。私はどうせ、お涙頂戴的な映画だろうと思っていました。そこへきて似たような境遇の人たちの共感が得られない、という現実にものすごくリアリティーを感じました。もしかすると映画の方は観念の世界へ耽溺しすぎたのかもしれないな、と思う一方で、たくましさの現実が心のそこから嬉しかったように思います。
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車椅子 (kossy)
2005-06-07 21:22:57
>へー太様

問題提起としては大成功の映画ですよね。

死を選択する自由なんて、言葉にすると簡単だけど、すごく奥が深くて真剣に考えてしまいました。

結局、感情移入の比重で、家族を応援したくなりました・・・

TBはgoo同士に限り、不具合があるようなのでgoo事務局に調査依頼中です・・・



>Nジーン様

俺もその「共感を得られなかった人」の話をちらりと聞いていたため、違った感想になったのかもしれません。

「死にたい」という切羽詰った感情よりも、政治的な意図を感じ取ったのかもしれませんし、心が読み取れなかったのかもしれません。

だけど、問題提起としてはいいきっかけになった映画かと思います。
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TBありがとうございます。 (あかん隊)
2005-06-10 22:42:56
TBありがとうございます。

この映画は、DVDになったら購入予定です。

じっくり観てみたいのです。 自分もラモンよりは、家族に気持ちが動きました。人生は、「自分だけのもの」ではないかもしれないとも思います。
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