生きることが“義務”と感じているラモン。確かに健常人である者からは理解しがたい心の葛藤があるのだろうけど、家族や周りのフリアやロサに感情移入してしまったかも・・・
鑑賞順が逆になったというのも原因なのか、この主人公ラモンにそれほど共感できなかった。というのも、彼を死なせたくない兄や兄嫁、そして父親。ラモンを生かせることに生きがいを感じている人間だっているのです。したがって、鑑賞中はずっと家族を応援していました(甥っ子除く)。そして、自身も障害者である神父に「家族に愛情が足りない」などと言われた時は、「頑張れ!家族!反論してくれ!」と拳を握りしめたくらい怒りを感じました。
なんと言っても、痴呆症と診断される女性弁護士のフリア。彼女が倒れたシーンが一番泣けたのです。もちろん一途な愛で彼女を支えるフリアの夫にも感動しました。また、生きる自信・目的を失いかけていたDJロサが工場閉鎖で打ちひしがれている姿も泣けたのです・・・こうやって思い起こすと、不思議とラモンに対しては泣かされなかった。結局は自己顕示欲が強かっただけじゃないかとも思ったくらいです。同じ感想を持った人はいないでしょうか?
実話を元にした社会派ドラマの一面も見せてくれたおかげで、自ら命を絶つ自由について真剣に考えさせてくれる。この点は高く評価できるのですが、認知症となった患者や、植物人間となった患者には意志を伝える手段もないことを忘れてはならないと思う。安楽死を施した医師が殺人罪に問われる社会なんてはどこか狂ってますもんね・・・
日本尊厳死協会
日本安楽死協会
★★★★・
・海を飛ぶ夢@映画生活
鑑賞順が逆になったというのも原因なのか、この主人公ラモンにそれほど共感できなかった。というのも、彼を死なせたくない兄や兄嫁、そして父親。ラモンを生かせることに生きがいを感じている人間だっているのです。したがって、鑑賞中はずっと家族を応援していました(甥っ子除く)。そして、自身も障害者である神父に「家族に愛情が足りない」などと言われた時は、「頑張れ!家族!反論してくれ!」と拳を握りしめたくらい怒りを感じました。
なんと言っても、痴呆症と診断される女性弁護士のフリア。彼女が倒れたシーンが一番泣けたのです。もちろん一途な愛で彼女を支えるフリアの夫にも感動しました。また、生きる自信・目的を失いかけていたDJロサが工場閉鎖で打ちひしがれている姿も泣けたのです・・・こうやって思い起こすと、不思議とラモンに対しては泣かされなかった。結局は自己顕示欲が強かっただけじゃないかとも思ったくらいです。同じ感想を持った人はいないでしょうか?
実話を元にした社会派ドラマの一面も見せてくれたおかげで、自ら命を絶つ自由について真剣に考えさせてくれる。この点は高く評価できるのですが、認知症となった患者や、植物人間となった患者には意志を伝える手段もないことを忘れてはならないと思う。安楽死を施した医師が殺人罪に問われる社会なんてはどこか狂ってますもんね・・・
日本尊厳死協会
日本安楽死協会
★★★★・
・海を飛ぶ夢@映画生活
そうですか…。ラモンには感情移入出来ませんでしたか…。確かに理解するのは到底無理ですもんね…。
でも、私は↑カヌさんのおっしゃている通り、後に観たと言うのもあるんですが『ミリオン~』のほうが簡単すぎるように思えたのです。
私は、あの飛翔のシーンや若い頃を思い出す美しいシーンの映像に鳥肌が立ち泣けてしまったんですよね・・・。
後…周囲の人間の心情もきっちり描いていて、どの人にも共感してしまって、アレハンドロ・アメナーバル監督すごいなって思いました。
長くなってすみません。
またぜひぜひお邪魔させて下さい。お願いします。
ラモンよりもその周囲の人間に感情移入するのは、彼らの方が自分に近い存在で、ラモンは実在した人間だけど自分とは明らかに異なる存在だからなんですかね。
それは私も同様なんですが、僕の場合、家族の描き方というか、ラモンと家族との関係が単純すぎて、家族がむしろ不気味に見えました。自殺に反対する兄だけが、理解可能な人間だった。
あと、ラモンとフリアの関係ももう一歩、踏み込んで描いてほしかった。ラモンとロサは良かったですが、あの二人の関係って、フランキーとマギーに通るものがあるな・・・と今、思った。
いつもお邪魔させていただいてます。リンク貼らせてもらっていいですか?
なんとなく順序が逆になると、
評価が若干変わるような2作ですもんね。
鑑賞中はミリオンダラーを思い浮かべてましたもん・・・
>nikidasu様
同意してくださってありがとうございます。
ハビエル・バルデムの演技力はすごいものがありましたので、逆にその奥深い表情のおかげで掴みづらくなってしまいました。
アイロニーとはいかないまでも、「何を考えてるのか当ててごらん」くらいの謎掛けの表情も含んでいたような・・・
>hartneko21様
映像の効果だったのですね。
考えながら観るよりも感覚で観たほうがよかったのだと反省しています。
周囲の人はわかりやすかったですね~
>しん様
どうもありがとうございます。
お返事の前にこちらでもリンクを先走って貼っちゃいました(笑)
実話が元になっているとわかった時点で、やはり死を願うひとの心を表現するのは難しいものなんだと思いました。そして、「自殺するのは簡単だけど、人に認めてもらうのが難しい」という台詞で、“苦しくて直ぐにでも死にたい”のとは違っていたことがわかりました。ここでますます彼の心がわからなくなって・・・
フリアにしても、だんだん痴呆症になっていくのですから、難しいですよね~
それ以上に家族の気持ちも痛いほどわかり、家族の愛を受け止めないラモンに対して釈然としない気持ちがありましたが。
色々なところに問題をなげかけるいい作品だと思いました。
トラックバックさせていただきました。
問題提起としては大成功の映画ですよね。
死を選択する自由なんて、言葉にすると簡単だけど、すごく奥が深くて真剣に考えてしまいました。
結局、感情移入の比重で、家族を応援したくなりました・・・
TBはgoo同士に限り、不具合があるようなのでgoo事務局に調査依頼中です・・・
>Nジーン様
俺もその「共感を得られなかった人」の話をちらりと聞いていたため、違った感想になったのかもしれません。
「死にたい」という切羽詰った感情よりも、政治的な意図を感じ取ったのかもしれませんし、心が読み取れなかったのかもしれません。
だけど、問題提起としてはいいきっかけになった映画かと思います。
この映画は、DVDになったら購入予定です。
じっくり観てみたいのです。 自分もラモンよりは、家族に気持ちが動きました。人生は、「自分だけのもの」ではないかもしれないとも思います。
コメントありがとうございます。
自分が病気にでもならないと、ラモンの気持ちがずっとわからないままかもしれません。
26年も苦しんでいたという描写がなかったので、読みづらかったけど、俺もまた見る機会があったら、この26年の苦しみを汲み取りながらじっくり鑑賞したいと思います。
それぞれの人の思いを確りと描いているところが、この映画のすごさでは、と最近は思えています。
あとからじわじわと思い出しますよね。
1年後には『ミリオンダラー・ベイビー』とこの映画のどちらが記憶に残っているか・・・楽しみです。
実は『ミリオン~』の方も先に見てたのですが、どうも以前からイーストウッドの映画と相性悪くて書き込むのは控えてました。皆さんの感想の中にこの映画のことが書かれてたので見に行きました。
私も主人公にあまり感情移入はできませんでした。多分、半分くらいは国民性や習慣の違いのせいだと思います。
死ぬために生きること。
生きるために死ぬこと。
どちらが正しいか、私には分かりません。
ただ彼にとっては正しくて、誰かにとっては間違ってる。ということだと思います。
人は一括りにしたがる。安心したいから。
”このドアを閉めたら、もう二度と会えない”
理由も分からず直感的にそう感じてためらった甥っ子君に一番泣かされました。
なるほど・・・国民性の違いも。
キリスト教というテーマも重要だったし、宗教観の違いもあるのでしょうね・・・俺は無宗教なので、どちらにしても理解できないかも。
甥っ子は現代っ子で、ラモンの元気な頃も知らない設定だから役作りも難しかったかもしれませんよね。素直な性格だから、余計に悲しくなりますね。
久しぶりに映画をみました。
こんなに重い映画だとは思わずに借りたので、
み終わった後、他の明るい映画をもう一本見たくらいです。なんとも、味わいたくない痛みを感じました。
私もラモンへの感情移入は出来なかったな、女性としては義姉マヌエラの凛とした姿、印象的で美しかったです。
重くて考えさせられる映画でしたもんね。
俺は『ミリオンダラー・ベイビー』を先に観ていたので、衝撃度はミリオンよりも低めでしたけど、こちらもなかなか良かったです。
僕も不随の経験のないせいか
家族の気持ちに感情移入した感じで見てました。
そうですよね~
ラモンのような境遇じゃないと、やはりわかりづらい。
理解したい気持ちもあるのですが、どうしても回りの目線になってしまいます・・・
考えさせられました。
日本でも『ブラックジャック』がヒットすれば、問題提起するような映画が出てくるような気がします。深いですよね~
ラモンに同調はできないけれど
ラモンの回りの女性たちの愛情深さに感動しました
そうですよね。
ラモン本人よりは周りの女性たち。
ラモンの心をなんとか理解したいと願う健気さに胸うたれました。
この映画今日観ました。
健常者には決してわからない領域だと
正直思いました。語ってはいけないとお
もいますが、すきな人と一緒になるために
死ななければならない、本当にかわいそうです。
触りたくても触ることができない、つらいと
思います。健常者はもっと頑張らねば・・・。
この映画は何度観ても新たな発見がありますね。
テレビでしきりに放映されているので、チラチラと観ているのですが、投げやりになったり、愛情たっぷりになったりと、かなり心情表現が豊かでした。
健常者の一人として、恥ずかしく思ったりもしますが、身障者の気持ちを考えるきっかけになりました。
私は、ラモンの兄の気持ちが痛かったです。
死とはどういうことなのかを息子に諭す姿が印象的でした。
この映画はラモン以外の家族に対する気持ちのほうが辛いように思えてしょうがないですよね。
もちろんラモンの心も伝わってくるのですが、命の尊さを考えるならば、家族の心のほうに泣けてきました。
難しいテーマですよね。