風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残をいかにとやせん
カンヌで男優賞を獲得させた是枝監督の次回作が時代劇!?ということで、期待と不安でいっぱいでした。基本的には庶民派のコメディ時代劇ですが、江戸が舞台であっても貧乏長屋が中心で、とても「花のお江戸」という言葉が似つかわしくないほどの汚いセット。長屋の傾きも『チャーリーとチョコレート工場』ほどでなないにしろ、今にも倒れてしまいそうな佇まい。父の仇を討つのが目的でその長屋に住みついた青木宗左衛門(岡田准一)が中心人物だ。剣術も喧嘩もまったく弱い主人公という設定に関しては、故松田優作主演の『ひとごろし』という映画でも臆病な侍が主人公でしたが、あくまでも仇討ちを避けたいという点ではこの『花よりもなほ』のほうが平和的でほのぼのしています。
長屋の住民にはほのかに恋心をよせる未亡人おさえ(宮沢りえ)や遊び人貞四郎(古田新太)、切腹マニアの浪人(香川照之)等々。そして重要な伏線となるのは、吉良上野介を討つという宿命を背負った浅野側の家臣たちも隠れていて、宗左の仇討ちと赤穂の仇討ちが見事にからまっていたことです。
9.11テロ以降には復讐の連鎖をテーマにした映画が数多く作られてきていますが、この映画ではそれを喜劇風に表現し、復讐しない道を考えるといった平和への願いも感じ取れます。天下泰平の世の中、仇討ちをするというヒーロー像を求める風潮があっても「逃げることも一つの手段」だと捉えることができるのかもしれません。
数多く映画化された赤穂浪士の話は大好きなのですが、それを「引退した老人の寝込みを襲う」といった風刺があっても全く嫌味に聞こえない。それよりも寺坂吉右衛門が討ち入りに参加せず切腹しないで済んだという史実へのこだわりも感じられ、彼の親子愛にほろりとしてしまいました。そして、将軍綱吉の生類憐れみの令の時代。韓国映画で犬を食べるシーンでは嫌悪感いっぱいでしたが、この映画においてお犬様を食べてしまっても爽快感が味わえる・・・でもないか・・・
木村祐一の「クソからもちが出来る」というお笑い伏線も用意されていましたが、クソのキレが悪い平泉成のように、ちょっとだけコメディのキレの悪さも感じてしまいます・・・だけど、社会派時代劇としてはなかなかのものでした。
★★★★・
カンヌで男優賞を獲得させた是枝監督の次回作が時代劇!?ということで、期待と不安でいっぱいでした。基本的には庶民派のコメディ時代劇ですが、江戸が舞台であっても貧乏長屋が中心で、とても「花のお江戸」という言葉が似つかわしくないほどの汚いセット。長屋の傾きも『チャーリーとチョコレート工場』ほどでなないにしろ、今にも倒れてしまいそうな佇まい。父の仇を討つのが目的でその長屋に住みついた青木宗左衛門(岡田准一)が中心人物だ。剣術も喧嘩もまったく弱い主人公という設定に関しては、故松田優作主演の『ひとごろし』という映画でも臆病な侍が主人公でしたが、あくまでも仇討ちを避けたいという点ではこの『花よりもなほ』のほうが平和的でほのぼのしています。
長屋の住民にはほのかに恋心をよせる未亡人おさえ(宮沢りえ)や遊び人貞四郎(古田新太)、切腹マニアの浪人(香川照之)等々。そして重要な伏線となるのは、吉良上野介を討つという宿命を背負った浅野側の家臣たちも隠れていて、宗左の仇討ちと赤穂の仇討ちが見事にからまっていたことです。
9.11テロ以降には復讐の連鎖をテーマにした映画が数多く作られてきていますが、この映画ではそれを喜劇風に表現し、復讐しない道を考えるといった平和への願いも感じ取れます。天下泰平の世の中、仇討ちをするというヒーロー像を求める風潮があっても「逃げることも一つの手段」だと捉えることができるのかもしれません。
数多く映画化された赤穂浪士の話は大好きなのですが、それを「引退した老人の寝込みを襲う」といった風刺があっても全く嫌味に聞こえない。それよりも寺坂吉右衛門が討ち入りに参加せず切腹しないで済んだという史実へのこだわりも感じられ、彼の親子愛にほろりとしてしまいました。そして、将軍綱吉の生類憐れみの令の時代。韓国映画で犬を食べるシーンでは嫌悪感いっぱいでしたが、この映画においてお犬様を食べてしまっても爽快感が味わえる・・・でもないか・・・
木村祐一の「クソからもちが出来る」というお笑い伏線も用意されていましたが、クソのキレが悪い平泉成のように、ちょっとだけコメディのキレの悪さも感じてしまいます・・・だけど、社会派時代劇としてはなかなかのものでした。
★★★★・
赤穂浪士のメンバーがあまりに濃くて、しかもいつものイメージと違ってみなさん冷静さを欠いていたのが面白かった!
「くそ」の連発、屋外トイレの様子など匂ってくるようでした。
私もこの映画の犬を食べるシーンは「お犬様」の時代だけに許せちゃった(汗)
ところで、TBって入った順番に表示されるんじゃなくなったのかしら?
TB順がバラバラ。
またメンテナンスの影響でしょうか・・・
そっか、犬を食べるシーンは平気だったんですね~
犬は好きでもお犬様は嫌いということで(笑)
世間の評判は、仇討ちを待ち望んだことの裏腹に「赤穂は腰抜け」といったことが入り混じっていたんでしょうね~
コメディのキレが悪いに共感しました。笑
またのぞきにきます!
是枝監督は時代劇も初めてであれば、コメディ映画も初めてのはず。
お犬様を食べるシークエンスというか、間がすごくよかったし、いい笑いのシーンもあったのですが、全体的には弱かったです。
まだまだこれからの監督だし、今後も楽しみにしています♪
長屋の住人達が良かったですね。
香川さんのキャラは大好きでした☆
時代に合ったテーマをたくさん含んだ映画でしたね。
学のある浪人。
さすが東大出身の香川さんです。
「もっき」がどうのこうのとか、漢字がわかりません(汗)
時代劇でこれほどまで現代に通用するテーマを含んでいるとは思いませんでした!
しみじみ、日本人だなあと思ったりして(笑)
そして、もちろん、復讐の連鎖なんてこともうまく持っていきました。
とにかく長屋の連中がうまくて、笑えました。
御犬様もなかなかの演技(じっとしているって偉い子ですね)。
ナベは、ニヤニヤしながら許しちゃいました。勢いってもんでしょうか。
うん、日本人に生まれてよかったぁ~
エンドクレジットをじっくり見てたら、
お犬様もしっかり名前が出てましたね。
神田マコって名前だっけ・・・忘れた・・・
自分がやっぱり小市民だと感じられたのは、犬鍋をしてるときでも嫌悪感がわかなかったところです・・・
勢いじゃなくて、生類憐みの令に反発心があるからですよ、きっと。
決して負けているのではなく、餅になっちゃうわけですから結果的には勝ちも同然というか。
餅になったら黄な粉をつけて食べたいと、食いしん坊は思ったのでした。でもさすがにお犬様はちょっとなべには・・・笑
逃げることも大事。
ですけど・・・現実には、兵士が逃げたら銃殺刑だろうし、結構大変です。
やっぱり大芝居を打たなければならないかも(笑)
俺はしばらく餅を食べたくありません・・・(笑)