父さん ごめんね。

父さん。
ごめんね。

母さんのところに行ってきました。
初盆に一人ではかわいそうと思ってね。

仕事の事や金銭的なことを考えるとちょっときつかったけどね。

駅について仏花やお盆用の提灯やお供え物を買いました。
初めてです。

母さんは家の前で待っていてくれました。

そうよね。毎日一人だったんだものね。
さびしかったでしょうね。

でもね。
いろんな話をしているうちに悲しくなりました。

田んぼを甥っ子に譲るというのです。
「本当に僕にくれるの？」
「うんん。やるよ。」
そこへ妹が
「紙に書いてもらわなくちゃ　駄目なのよ。」
母は
「いくらでも書いてやるよ。」

そんな会話だったようです。

そしてまた
「長生きして（年金を貯めて）妹にたくさん残してやらにゃ。」です。
父さんの年金が入る銀行の通帳は妹に託してあるそうです。

別に私がとやかく言うことではないのだけど・・・

でもね。なんだかねえ。

さびしいわね。

兄や末の妹の気持ちがわかるような気がします。

母さん。わが子のえこひいきはいけませんよ。
なんて言えませんが。

父さん。

私は愚かな人間です。

親思いを演じていますが・・・
内心は・・・

「お母さん。気をつけてね。」
なんて　笑顔で帰ってきましたが
さびしい気持ちで帰ってきました。

これからも　母さんのためにと思って　できる事をしますが
損得のないきれいな気持ちで　と思います。

父さん。
ごめんね。

まだまだ　駄目ですね。