朝、忙しい忙しいとバタバタしつつも、こいちゃん宛のさくらちゃん写真を撮るのはこの時間となる。
夕方は暗くなってしまうし、さらに晩御飯の支度で大忙し…。
なのでカメラを向けたタイミングでいつもシャッターチャンスかと言うと、もちろん全くそんなことはなく…。
「痒ぅっ!!」
絶賛搔きむしり中のさくらちゃん。
背中のバンドエイドがちらりとワンポイント。
ペロリと顔を舐める。
もっとこっちを見てくれたりしないかな…。
付きっ切りにもなれないので、とりあえずその場を離れてまた朝の支度に戻った。
その後、もう一度様子を見に行くと…。
『くてっ』と言う感じでクッションの上でくつろいでいる。
朝ごはんも歯磨きも終わり、私への挨拶も終わったら、足元をまとわりついても意味がないと悟っているかのようである。
速足で室内を歩き回る私とは対照的に、さくらちゃんの周りに流れるたおやかな空気…。
仕事なんか行かずに、一緒に横になって眠ってしまおうか…。
その誘惑を断ち切るの、結構毎朝大変である。
ふわぁ…。
ぼんやりした目で私を見つめるさくらちゃんがたまらなく愛おしく、ついお腹に顔を突っ込んでしまう。
さくらちゃんの暖かくて柔らかいお腹からシャンプーのいい匂いがして、立ち上がるまで時間がかかった。
さて、慌てて撮ったさくらちゃんの写メは行きのバスの中でこいちゃんにlineで送る。
まだ夏休み中のこいちゃんがすぐに見てくれることはほとんどなく、お昼近くになってからようやく
「かわいぃ~!」と返事が来る。
お寝坊だが、この毎朝の写メをとても楽しみにしているこいちゃんなのである。