台風一家

淡路島キャンプ 2日目

朝から子供たちはアフリカのコテージで気持ちよく目覚め、喧嘩を一発。
この日一日の過ごし方について、いっくんとこいちゃんの行きたい場所が食い違ったのだ。
結局すったもんだ、親が介入し、おばあちゃんとおじいちゃんにたしなめられたりしつつ、総合的に考えて回るのに1日は十分かかるであろう「ONOKORO」に決まったのだ。

この日もとっても良い天気。
炎天下の中、テーマパークを一日歩くのかと思うと、ちょっと気が重いようだったが、子供たちは超ご機嫌。
朝ごはんを食べ、姉弟仲良く虫取りである。

コテージの敷地は大変広いが、閉鎖されているので車も走らず安心して眺めていられる。
その間、大人はゆったり食後のコーヒーを飲んだり、身支度を整えることができるのだから何ともスペシャルな時間である。

が、穏やかな時間もすぐにいっくんの創作意欲によって乱されることとなる。
1本枝を持ってやってきて、
「紐ちょうだい!紐」
「テープは?のりは?シールでもいいから」
って、自宅じゃないんだから、そうポンポン用意できるわけない!
が、そこはしっかりもののおじいちゃんの四次元ポケットから色々な材料が飛び出して、いっくんは弓矢を作ることに成功。
大喜びで木の枝を飛ばして遊び、
「遠くに飛ばせるで!!」と力いっぱい引っ張って壊してしまっていた…。
だから力加減をしなさい、と普段から注意しているのに…。
自然は子供たちのれっきとした玩具なのだ。

「ONOKORO」に向かう前に写真を1枚通りすがりの方に撮ってもらった。
後にも先にもこれ1枚、全員で写った貴重な写真である。
「ONOKORO」は混雑していた。
いっくんはパーク中央で行われていたヒーローショーや芝滑りに吸い寄せられていったため、こいちゃんはずっとやりたがっていたお香作りに挑戦である。
受付でお金を払って材料を貰い、説明を受ける。
こいちゃんが選んだのはラベンダーのお香。
まずは粉をすり鉢に入れて…

少量の水を加えて、よく練ると、みるみる鮮やかな色に変わっていく。
ホットケーキでも作るときのようにご機嫌なこいちゃんである。

「粘土とおんなじだ~」と驚きつつ、団子をコネコネして、平たく伸ばすと、ちょっとドきつい、クッキー生地のようである。

型でポンポン抜いていく作業は、見ているほうも楽しそう。
何度も生地を再利用しながら、嬉しそうに作業をつづけるこいちゃん。

抜いた生地をダンボールに置いて完成である。
これをしっかり乾かしたら火をつけてお香として使えるわけだ。

手にも服にもラベンダーのいい香りをつけて、いっくんと合流。
遊ぶのに夢中のいっくんは
「お腹いっぱいだから、いらない」とお昼ご飯を嫌がっていたが、結局食欲には勝てず、カレーセットのナンはおばあちゃんのも取って食べていた。
まるで赤ちゃんじゃん…。

食後に!?と目を見張ったが、子供たちが乗りたがったのはティーカップ。
いっくんは鬼のようにカップを回すことが判っていたので、
「絶対に別々のカップに乗りなさい!」と矯正隔離。
これで一緒に乗ってしまうとこいちゃんが泣かされるのは明白である。
案の定、殆どハンドルを回さず笑顔を振りまいているこいちゃんに対して、狂ったようにハンドルを回し奇声を発するいっくんは、実に対照的であった。
一緒の育て方をして、どうしてこうも違うものか。
おじいちゃんの呆れたような
「男の子じゃのうぅ…」のつぶやきが印象的である。

女の子らしくて嫌がるだろうと思っているのに、意外といっくんは回転木馬が好きである。
こいちゃんは勿論プリンセスムード大好きなので二つ返事で入り口に並んだ。
ぐるぐる回る木馬の上からおじいちゃんやおばあちゃんを見つけて笑顔を振りまく子供たちは本当に幸せそのものである。

この後、いっくんもお製作をしたくなったようで、ジェルキャンドルに挑戦することになった。

こいちゃんは、二つ目のお製作をさせてもらえることになり、大喜び。
おじいちゃんとおばあちゃんがいなかったら1個で我慢させていたかも…なのだが…。

グラスのそこに敷き詰める砂は数種類あり、色選びだけでたっぷり時間をかけて悩む。
親としてはさっさと決めて入れてしまいたい気分だが、その悩む時間も楽しいのであろう。
少しずつ色を重ねていく子供たちは真剣そのものである。

いっくんは大好きなイルカなどのガラス細工を砂に乗せ、さらに追加金を払って二つガラス細工を追加。
火をつけてもガラス細工は溶けずに残ることがわかって
「残るの!?じゃあ、思い出になるの!?」と目を輝かせて言われたら駄目とは言えなかった…。

勿論、こいちゃんも追加金を払ってガラス細工を2つチョイス。
あーでもない、こーでもない、と配置を考えてこいちゃんワールドを作っていくのだ。
子供たちの頭の中が反映される、楽しい世界である。

配置が終わると、お姉さんにジェルを入れてもらう。
水の中で冷やし固めるのが40分かかるとのことだったので、お願いして園内を回ることになった。

いっくんは前回もここで入った冷凍庫のアトラクション(?)にいきたいというのでいっくんは、こいちゃんと分かれて入る事になった。
女チームと、男チームで分かれて歩き出す。
こいちゃんは、始めティーカップとどちらにしようか迷ったゾウの乗り物に乗ることに。
いっくんがいないと
「一人っ子みたいで、喧嘩がなくていい」と嬉しい様子のこいちゃん。
ちょっと疲れのでソフトクリームで休憩。
「女チームはいいね~」とご満悦なのだ。

ま、その頃、男チームもこのように同じような行動に出ていたわけなのだが…。

この暑さ、やはり考えることは同じだったようで…。

女チームは園内を軽く回れる電車に乗った。
すでに疲れもピークの私とおばあちゃん(母)は、「ありがたや~」とばかりに座席でぐったりである。

そして、やっぱり今年も乗ることになったヘリコプター。
今年はおじいちゃんといっくん、こいちゃんのメンバーである。
前回いっくんが助手席だったため、今回はこいちゃんが助手席となった。

念願の助手席から嬉しく手をふるこいちゃん。
あとでおじいちゃんに聞いたのだが、マシンガントークこいちゃんは、やっぱり機内でもおしゃべりだったらしい。
機長さんに色々質問しては納得し、また質問を繰り返し…だったらしく、「集中して運転させてあげて!」と思ってしまうのは私だけだろうか!?

プロペラの音が爆音に変わりふわりと機体が浮かび上がる瞬間は何とも爽快!
この不思議な感覚は何度見ても興奮ものである。

手の届かない大空に機体が持ち上がると、なぜかふと物寂しい気持ちに。
いや、すぐに戻ってくるんだけどね…。

くったくたの大人たちを引っ張るように、ミニチュアワールドを通り抜け、子供たちが向かったのはゴーカート。

伴侶がハンドルから手を離して手を振っている!?と言うことはこれはいっくんの運転なのか!?
ハンドルにかじりつき振り回すいっくん。
結構なスピードの中スラロームを決めるいっくんにちょっと青ざめてしまった。
ゴーカートといっても本格的である。
怪我だけはしないくれ~……。

こいちゃんは対照的におじいちゃんのナビ状態である。
おじいちゃんに適切な速度で運転してもらいつつ、手を振って余裕のご挨拶。
わざわざゴーカートにのる意味はあるのだろうか…??

いっくんこの日二度目の芝滑り。
手を離したり、足をあげたり、どうして普通に滑らないのだろうか。
怖いくせに(口がビビッて開いている)どうしてそんなにスリルを求めてしまうのだ!

こいちゃんの悲鳴は芝滑り場に響き渡った。
ぐらぐらとゆれながら滑り降りていくソリの上で、始終悲鳴を上げ続け、降りるとまたソリを引きずって頂上に上がるのだ。
子供たちのスタミナに、大人陣は唖然としてただただ座り込んでいた。

時間になり、放送で呼び出されるまで、まるで疲れを知らない様子で遊び続けた子供たち。
その幸せそうな様子を、目を細めて見守ることが出来た私たちこそ、最高に幸せ者である。

ジェルキャンドルを回収しコテージに戻ると、そのできばえに子供たちは大満足の様子であった。
全力疾走の子供たちに、大人がついていけるはずもない。
翌日の為に、BBQで力をつけるのであった。
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