友達に会いに行こう！

肌寒い、雨の朝となった金曜日。

布団でぬくぬくとするさくらちゃんに挨拶をして家を出る。

さくらちゃんのお腹に顔を埋めて仕事に行かなければならない我が身を恨めしく思うのだがこの日は違った。

この日はお楽しみが待っている。

仕事を早退して長く会っていない友達に会いに行くのだ。

ちょっと会えなくなるけど、ごめんねさくらちゃん…。

友達は岡山在住。

一人で向かうため、会社を出た足で新幹線に乗り込んだ。

何年振りだろうか？

久しぶりの新幹線のお作法がわからない…。

停車時間も短いのでテンパることテンパること。

自由席ってどこですか。

節約しようと自由席を選んだものの、1〜3号車と気づいたのは13号車に乗り込んだ後だった。

とりあえず座れた〜。

久しぶりすぎて余裕ゼロ。

席を取られそうだし、お土産も無くなっちゃいそうで席すら立てないまま過ごすこと1時間30分。

今更だけど…指定席にする意味が良くわかった。

友達に到着時刻を送ったり、チラチラ見える外の景色に感動したり。

怖いけど楽しい一人旅。

大慌てで購入したお土産を見返してみる。

同い年のお友達。

甘いものは体にあまり良くないから沢山はいけないよね、と思いつつやっぱり甘いものを購入。

時間をかけて食べてもらおう。

何故かパケ買いしてしまったフエキノリ…。

フエキノリじゃなくてフエキ海苔。

ダジャレか！！

海苔の方が入っている。

パッケージが可愛くて小さな子供もいないのについつい買ってしまったのだ。

呆れられるかもしれないが、30年以上の付き合いだから笑って許してくれるだろう…。（と信じるしかない）

チーズケーキラスクは翌日に会う両親にも購入。

早く新幹線に乗りたくて駆け足で購入したが、美味しそう。

（中身は見てない）

父にもカレーを購入。

カレー大好きなので喜んでくれるのはわかっているが、味の違いがわかるかどうかは不明である。

塩分に気をつけているおばあちゃんにも塩見の効いたものを少しだけ購入。

お好み焼き。

入れてくれた袋が可愛くて密かに感動する私である。

そういえば、この自由席に座る前に駆け抜けてきたおしゃれな新幹線の車内が煌めいていた。

なんでこんなに内装が違うのだろうか。

とても綺麗で、漂う高級感。

グリーン車でしたか。

私には無縁の、お金がある人のエリアであった。

喫煙室にも高級感。

さて、車だと何時間もかかる遠距離も新幹線だとあっという間。

友達とは岡山の駅構内で会うことができた。

コロナで「会いたいね、食事したいね」と言いながら全く会えなかった友達とやっと会うことが出来たのだ。

ただ、食事などはせず、マスクも絶対外さず1時間半話をして別れた。

せっかくだからお店に入ってゆっくり話せば…と考えたくなるが、大病を患って、ようやく元気になった友達を食事などで連れまわしコロナなどに絶対感染させたくなかった。

会ってくれただけで私はとても嬉しかったのだ。

私はホテルチェックインの時間が、彼女は帰りのバス時間が迫っているので時間はあまりなかったのが名残惜しかった。

友達もそう思ってくれたらしく「顔を見せてくれてありがとう」と喜んで感謝の手紙とお土産を沢山くれた。

私なんかに手紙を書いてくれるなんて…と、普段LINEばかりでするやりとりとはまた違った温かみに感動してしまったのであった。

友達と別れて新幹線に再び乗り込んだ私は、今回の目的地に到着！

今夜はここで一泊し、翌日は実家に向かうと言うスケジュールである。

楽しげなお店が沢山並ぶ駅構内を通り抜けて、さて無事にホテルに着くことができるだろうか？

方向音痴の私は若干の不安を覚えつつ夜の街に足を踏み出すのであった。