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カフカ式練習帳 |
保坂和志 | |
文藝春秋 |
¥1,700+税 文藝春秋 2012/4/20発行
ISBN978-4-16-381330-1
『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』がとてもよかったので、こちらも読んでみました。
もっと断片的でとりとめもなくて読みにくいかと思ったら、意外と読みやすい。
> カフカのような断片を書きとどめようと思ったのは、その夢とも思考ともつかない漂いの中でだった。それをはじめたとき私はカフカのような断片を書きとどめることが、ペチャとジジと一緒にいる時間を延ばすことだというふうな祈りに似た気持ちを感じていただろうか。(270頁)
本書もまた、猫たちへの愛が充満している。
> 刺身用の生ホタテなら何度もやったことがあったが。、今日ははじめてボイルして売られているホタテを軽くフライパンで焼いて出した。
> […]五分ばかり家に入ってもう一度出てみるとホタテはきれいになくなり、三匹は少女が幼な心に恋したお兄さんを見つめるような、うるうるの目で彼をじっと見つめる。こんな熱い眼差しにかつて出会ったことがない。こちらの心も揺れてしまうほどの眼差しだった。(71頁)
かわいいなあもう!