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とにかくうちに帰ります |
津村記久子 | |
新潮社 |
¥1,300+税 新潮社 2012/2/25発行
ISBN978-4-10-331981-8
震災の日の、帰宅難民を連想させるタイトルだけど、関係はない。
六編収録の短篇集。
「職場の作法」
「ブラックボックス」
「ハラスメント、ネグレクト」
「ブラックホール」
「小規模なパンデミック」
「バリローチェのファン・カルロス・モリーナ」
「とにかくうちに帰ります」
ひとことで言えば、お仕事小説。
会社員の日常が、うまいなあ、津村記久子は。
「職場の作法」がしみじみ好き。
「ブラックホール」では、いるよいるよこういう人のものを勝手に持っていってしまう困った人、自覚ないひといるよ、って思うし、「ハラスメント、ネグレクト」では、女子社員敵に回すとこうなるよ、こっちも大人だから仕事はちゃんとやるけど些細なことで困るんだよ、覚えておけよ、と思うし、「小規模なパンデミック」ではいるんだよなこういう多忙自慢とか病気自慢とかの人って、自慢するようなことじゃないのに、っていうかみっともないだけなのにいい加減気づけよ、と思うし。
ささやかな事件、小さなこだわり。
みんなまじめに働いてます。
おもしろかったー。