「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真 (新潮文庫) | |
湯谷昇羊 | |
新潮社 |
¥590+税 新潮社(新潮文庫) 2011/4/1発行
ISBN978-4-10-134491-1
オムロン創業者の立石一真の一代記。
書評で、なにやらたいした傑物であるようなことが書いてあって、興味を持って。
しかーし、読んでみたら、読めば読むほど、好きになれないタイプの男…としか思えない。こんな上司いやだー。こんな父親もいやだー。
経営理念がどうとか、顧客至上主義とか、営業尊重とか、一方を見るだけならそれもいいけど、その分現場にしわ寄せ来てるし。
タイトルにまで『できませんと云うな』とか言っておきながら275ページ自ら「申し訳ありませんが、それはできません」とか言ってますけど。できませんと言っちゃいけないのは客に対してだけで、商売じゃなければ断る気満々じゃん、こいつ。
妻が病気に臥せったときは、子どもがそばにいては休まらないだろうと療養所に入れてしまう。どうでしょう、個人差もあるとおもいますが、普通母親は子どもがそばにいたほうが安心するんじゃないですか。引き離されたほうがガックリ来ませんか。そもそも健康法に関しても「西式」とかいう怪しげなの人に強制してるし。
そう、キーワードは強制。
やたら無理強い男なのだ。やだー。こんな男いやだー。
歳をとってからは老害撒き散らしてるし。社長を退いて会長になってからも口出しまくり。気の毒に、二代目。
オムロンが大きくなったのは、基本、時代だとおもう。
いまの時代に立石一真が生まれても、こんなうまくはいかないね。