読書とかいろいろ日記

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『眠られぬ労働者たち』 入江公康

2008年08月24日 | 読書日記
眠られぬ労働者たち 新しきサンディカの思考』 入江公康
¥1,900+税 青土社 2008/3/10発行
ISBN978-4-7917-6397-9

えーと、文章からてっきり老練な労働関連思想家であるような印象を受けたのだが、どうもちょっと違うようだ。あとがきから連想されるのは、大学院を卒業して間もない、奨学金の返済に追われる学者の卵。

> 絶え間なく揺らぎ、不安定で不確定な日常に開かれきって、常に「視線」のチェックに曝され、特に望んだわけでもない「コミュニケーション」を学習せねばならず、自己を不断に更新し生き抜くことにわれわれは日々慣らされている。閉じることはだから死に結びつけられてもいる。
この意味では、われわれは二重にも三重にも奪われており、奪い返さねばならないものがたくさんあるのだ。しかもなお「コミュニケーション」は、われわれに何事かをおしつけがましく強いてくる。教育においても“自ら学び、自ら考える”(さらにいえば「不安定雇用」のなかをということでもあろう)「生きる力」といい、“人とつながることのできる”「社会力」といい、そしてなにかと鼻持ちならない「コミュニケーション力」など、そのようなものが称揚されている。(148頁)

「鼻持ちならないコミュニケーション力」というもの。
ああ耳に心地よい。
明るく外交的で友人がたくさんいること。くそくらえ。

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