『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?』 デイヴィッド・エプスタイン(福典之・監修 川又政治・訳)
¥2,100+税 早川書房 2014/9/25発行
ISBN978-4-15-209477-3
副題:アスリートの科学
氏か育ちか。
ま、ぶっちゃけどっちも。って結論なわけだけど。
遺伝子の影響は、確かにある。けど、遺伝子だけを頼りにして練習しなかったら一流アスリートになれるわけない。
てゆーか、読んでて私が引っかかったのは、スポーツ遺伝子よりも性情報の方だ。
> 私たちはみな、女性として生を始める。すべての人間の胚は、初めの六週間は女性だ。哺乳類の胎児は母親の体内で大量の女性ホルモンにさらされるため、初期の性が雌であることは効率が良い。雄になる場合には、六週目にSRY遺伝子が睾丸を形成する信号と、テストストロンを合成するライディッヒ細胞を睾丸の中に形成させる信号を出す。その後一カ月のうちに特定の遺伝子をオンにし、その他の遺伝子をオフにする。(93頁)
男と女の違いって意外にあやふや。
XY染色体をもつ女性がいるっていうのはニュースで見たことあるな。
過去五回のオリンピックでは、421人に一人の割合で女子選手がY染色体をもっていたという。……たしかにこれは一般社会の比率とかけ離れてるな。しかし不正ではない。
1990年IAAFが学者を招集して性別判定の方法を検討した結果、結論は「われわれにはわからない!」。わからないと認めた学者たち、偉い。
> 研究の対照群として測定された一般女性の骨盤は、当然、一般男性よりも幅が広かった。しかし、女子競泳選手の骨盤の幅は一般男性の対照群より狭い。そして、女子飛び込み選手の骨盤は女子競泳選手より狭く、女子短距離走選手の骨盤は女子飛び込み選手よりさらに狭い(腰幅が狭いと走行効率が良い)。そして、女子体操選手の骨盤はさらに狭かった。(166頁)
女性らしい張った腰はスポーツに向かんということだーね。
そりゃまあ、オリンピックじゃなくてもたいていのスポーツの競技会をみりゃ一目瞭然だけど。それにしても、そんなに差があるのか。