NINAの物語 Ⅱ

思いついたままに物語を書いています

季節の花も載せていきたいと思っています。

寂しい部屋(7)

2012-02-21 19:40:02 | 寂しい部屋
田舎のこの町でも、近頃はどの家も洋風になっていて、リビングやダイニング、それに子供部屋も椅子の生活になっている。
そのためか、生け花を習いにくる娘たちも正座が苦手で、花を生けている間はモジモジしながらも何とか正座をしているが、生け終わると途端に足を崩す。
健吾が老人と安心しきっているのか、ミニスカートで足を前に投げ出したり、膝を立てたり、横座りをしたりするので健吾は目のやり場に困る。
高校教師をしていた頃、受け持ちの生徒、奈々の揺れる大きな胸や、スカートで脚をあおっている生徒の白い太ももを見て、ムラムラした感情を持ったことがあったが、今のこの光景はそれどころではない。
娘の横に座って花の生け方を教えている時も、若い女性のむっちりとした腕が自分の腕に触れることがある。
化粧品の香りが甘く匂ってくる。
ドキッとはするが、それが嬉しくもあり、若い頃の懸命に抑えていた湧きあがる感情とはまた違った思いなのだ。
健吾の心の中で何かが少しずつ動き出していた。

 また一年が過ぎた。
最近、健吾は本を読むことが少なくなってきている。
教室のない日は、お茶やお花を教えている部屋で一日中ぼんやり庭を眺めている。
教室のある日はこれまで通りに教えてはいるが、娘たちの胸や脚を舐めるように見ることが多い。
頭の中に女性の肉体が渦を巻いて浮かんできて、他のことが考えられない。
女性の胸に触れてみたい、お尻を撫でてみたい、と毎日思うようになった。
ある日の茶道教室で、帰ろうと立ち上がった娘のお尻を触ってみた。
娘は「キャー。」と声を上げたが、健吾を責めるでもなく周りの皆と笑っていた。
次は花道教室で、娘の横に座って生けた花を直しながら胸に手を触れた。
ふっくらと張りのある胸は手に心地よい感触を与えた。
それからは時々、近所の娘や教室に通ってくる娘の胸やお尻を触るようになった。
親たちは昔からよく知っている健吾のことなので、警察に訴えずに健吾の家に直接苦情を言いに訪れるようになった。
その度に正代は平謝りに謝った。
健吾にそのような行為を止めるように忠告しても、
「俺は悪いことをしていない。」
と言うばかりで埒があかない。
正代は恥ずかしくて仕方がない。
外に出ると、人の目が自分を責めているようで、人に会うのが恐くて家から出られなくなった。
夫は病気を患っているのだろうと、病院で診てもらうことを勧めても健吾は取り合わない。
「俺の体のどこが悪いと言うのか。」
何度も言うと怒り出す。



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3 コメント

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Unknown (nasa)
2012-02-27 12:20:07
お尻を撫でましたか
胸を触りましたか
作者のninaさんので我慢しておけば良いのに・・・
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Unknown (nina)
2012-02-23 09:38:21
おお~医者さん
あとのストーリーを書かれてしまいました
どうしよう。

そうですね。最近プールをご無沙汰なので忘れていました。
山ばかり行ってないで、スイミングも早く再開しなくては・・・
この前、水着を持って出かけたら、プールがお休みでした。休館日をうっかり忘れていました。
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病気です (おお~医者)
2012-02-22 15:53:31
健吾さんは~病気です

欲望を理性で抑えられなくなってきていますね


先生~質問です!悪い噂が立ち又生徒達が怖がって教室に通わなくなってしまうんじゃないでしょうか??


(o・。・o) あっそっか~健吾さんの正体は作者のよく行かれるプールに現れる例の、お触りじいさんでした~ラジャ!( ̄- ̄)ゞ

(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!(°°)\(-O-;) ッテナンデヤネン ・・・m(_ _)m ゴメンナサイ
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