がまくんと かえるくん しんぱいごむよう！

ボタンは　一つも　とれませんでしたよ。
がまくんが　とても　じょうずに
ぬいつけたからですよ。

素敵だなあ。三木 卓さんの、日本語訳。
アーノルド・ローベルの「がまくんと かえるくん」

小学校教科書になっている「おてがみ」の他、４話が入っている
「ふたりは ともだち」

本当に友だちっていいなあと思うよ。
上着のボタンを失くしてがっかりしている がまくんに

“Don’t worry”
「しんぱいごむよう！」

かえるくんは言って、一緒に来た道を戻ってボタン捜しをしてくれる。

いろいろな動物たちが、
“Excuse me, did you lose a button? I found one”

などと言って、いろいろなボタンを、親切に持ってきてくれるのだけれど、
どれもこれも、自分のじゃないので、

“That is not my button!”
がまくんは喚いて、どんどん落ち込む。
プンプンおこる。
家のドアをピシャリとしめる。

そしたら床に、ボタンがあったんだねえ。

なんだか自分のことのよう。
身の回りのことがうまくいかなくて、癇癪起こして、
身近な人に八つ当たりして。

みんなが持ってきてくれた色々なボタンは
みんなの温かい親切のしるし。
みんなを丁寧にに縫い付けて、
上着は素敵になったのだろうなあ。

Frog thought that it was beautiful.
He put it on and jumped for joy.
None of the buttons fell off.
Toad had sewed them on very well.

味わいふかい、ことばたち。
英語のいろいろな言い方も、
CDの語りかけるような声も、
心の中まで沁み入る、染み込むね。