作 おいかわまゆみ / 絵 クリハラマリ
秩父鉄道株式会社
鉄道会社が発行している絵本です。
実は、ごく最近、ご縁がありまして、作者のおいかわまゆみさんの、お店でこの絵本を買って来ました。それについては、このコーナーの最後に。
SLの好きな子、沢山いると思います。
埼玉県にSLが走っていることを、ご存知の方、少ないかもしれません。
都心から一番近いSLが、秩父鉄道のパレオエクスプレスです。
JRからも接続している熊谷駅から、長瀞を通って、三峰口駅までSLは走っています。
SLって、何か生き物みたいじゃありませんか?
なんたって、動いて遠くへ行くものには、夢がありますからね。
大きな汽笛、黒い煙、重量感ある動力!
頑張って、力強く進む、ヒーローやヒロインとして、これまでも絵本の題材になっていますよね。
この絵本は、やわらかなパステル調で描かれて可愛らしく、それでいて郷愁をさそうような絵柄です。
でも、表紙と裏表紙のデザインは、線路が上から俯瞰するように配されていて、洗練されていると思います。
「ぼくはSL」と言っているとおり、主人公はSLです。
このSL、役目を終えて、小学校に展示されているというところから始まります。
じつは、この小学校が、わたしのうちの近くの小学校なんです。
こどもが小さい時、機関車を見によく寄っていたんです。
そのときは、このSLくんじゃなかったのですが、シチュエーションは全く同じで、小学校でこのSLくんがある少年に出会う、といところからお話は始まります。
私の好きなところは、その少年に
「走っているSLはかっこいいだろうな。いつかのってみたいな」って言われて、
SLくんがもう一度、走ることをゆめみるようになったところなんです。
まいばんお月さまに向かっておねがいした。というところ。
そして、夢が叶って、SLくんはパレオエクスプレスとなって、活躍するようになったんです。
少年の成長とともに時がたっていって、別れや、嬉しい再会があります。
その30周年の記念に、この絵本が作られました。
うちの子どもも、小さい時に、パレオエクスプレスに家族で乗りましたのでね。
重なって見えます。
今では大人になってSLへの憧れは卒業しましたけれど、
でも鉄道の旅は、彼の人生に少なからず影響を与えていると思います。
さて、作者のおいかわまゆみさんですが、秩父鉄道に約十年、お勤めされていたそうです。
今では、子育ての経験から絵本の大切さを実感されて、絵本屋さんを開業されています。
名前は『ゆめみる本屋さん』。熊谷市の秩父線石原駅のすぐそばです。
子育てと絵本屋さんを、両立されておられますよ。
そして、この絵本が買えるのは、こちらのお店か、
秩父鉄道の各駅にしか、置いてありません。
または秩父鉄道のホームページから、「ちちてつe-shop」という通販で購入できます。
期間限定販売、期限は平成30年8月31日です。
これは乗車券に絵本がついているんですね。
熊谷から三峰口までの大人一枚、こども一枚。
つまり、この夏休みが最後のチャンスです。
SLがデザインされた、乗車券を持って、ぜひパレオエクスプレスに会いに行きましょう!