高倉健さんの遺作となった映画が放送されていて
「星めぐりの歌」を田中裕子さんが歌っていました。
星の世界へ思いを巡らせながら、宮沢賢治のことばの素晴らしさにあらためて感動しました。
ところで、今日は長瀞の宝登山神社へお参りしてきたのですが、
参道に「ゴーシュ」という、うどん屋さんがあるのです。
宮沢賢治のゴーシュは、
わたしの心の友となっている物語の一つです。
初めて出会ったのは、こちらの茂田井 武さんの絵本だったと思います。
子どもたちに読みたいと思って選んだのも、これでした。絵に力と優しさが、ゴーシュの思いのように満ちていて、物語を印象づけてくれます。
私がラボ・パーティという英語教室を開いてすぐに指導者の研修で、英語劇をしたのが、
セロ弾きのゴーシュ。
私はネコの役で、夜中にセロを練習するゴーシュのところへ応援に行ってるつもりの邪魔者でした。
高倉健さんも言っていたけれど、演じることで人生を教わる。
劇表現は、物語を深く見つめるから、本当に人生を教わります。
さて、
気になっていた、ゴーシュという店に入ってみたのです。
社会に出るお勉強中の若者たちの、応援をしているような気持ちになっていると、
驚いたことにお店のママさんが、
お座敷の空気が悪いから窓開けましょう、と言って開けたのです。
空気、悪いと思っていなかったから意外で。
何だか、ゴーシュのところへ来たカッコウになったようでしたよ。
カッコウはゴーシュに、出て行けと怒られたのよね。私たちは、美味しくお食事しましたが、不思議な気分でした。
その後、参道を下って荒川の方へ商店街を行くと、
あるお店の前で猫が、女の人が動かすネコジャラシのようなものを狙って追ってクルクル回っていたの。
いかにも遊び好き、いたずらっ子な様子に
きっとゴーシュの物語の猫に違いないって思った。
三猿ならぬ三猫の店
神社は、現実から一線を画した境地に人を導く気が満ちているのかな、
不思議な、楽しい日でした。