絵本とおはなしと子ども英語♪ゆったり・まったり・ドキドキしよ♪

「昔むかしあるところに」今ではない此処ではない別の世界へ。
わくわくするお話の中に入って、自由に心をひろげてみない?

キャスターさんと絵本の対話

2020年09月18日 | 絵本で子育て
ラジオで絵本を紹介しました。

「バスにのって」
作・絵 荒井良二  偕成社






今日の放送は少しだけ長めで
13:15には始まりました。
パーソナリティの藤井さんが上手に話を膨らませてくださって
私の言いたいことも含めて話してくださって
共同制作な絵本紹介でした。

表紙絵から感じるのは
広さと明るさ。

 爽やかさ。 
そして、バスはいない。

空間、余白に
想像が刺激されてページを開いちゃう。

ここは砂漠。
たぶん、砂漠。説明はない。 

綺麗に晴れた空に「バスにのって」と
のびのびと書いてあって。 
オレンジ色の地面に
白っぽい道、

大荷物を担ぐ人。 手前には木の枝に止まった鳥、
木も、鳥も、色がブルーとオレンジ。 同じ色調の建物。バス停らしい。 
この色彩の美しさが魅力。

あとは、音。
はじまり、この絵本からは風が吹いてくる。 「風は そよっとしています」 
と、文が言うと、絵から風が吹いてくる。  
そして、あの音が始まる。
トントンパットン トンパットン

バスを待つ主人公がつけたラジオから流れている。
作品を通じてこの音がずっと流れている。
バスは来ないけれど トントンパットンの音楽から 不思議な世界が始まる。

広々とした砂漠の空間にいるはずなのに どこかのまちなか。
市場?バザール? 
大きなトラックが通り過ぎると、ゴオーッという音、 いろいろな人が乗っている。

広さ、空間と
反対に、 ごちゃごちゃ、密。多様性。 

静かと、騒音。 
バックに流れるトントンパットン。 
この対比が非常に印象に残る。

絵本は子どもと遊ぶ道具でもある。 
以前、とある子ども劇場で(俳優座) 
この「バスにのって」を題材にパフォーマンスがあって

 観覧しました。
観客参加型で 
子どもさんに、中に入って一緒に遊んで欲しい、という趣向。 
私、おとなですが、入らせてもらいました。 
夜になる場面で、仕掛けを引っ張って月をおろしました。 おとなも、こどもになると、いいですよ。

このお話の中の多様性、
いろんな変な人たちが絵に出てくる、
それを、みんなで舞台にあがって好きなことしよう、という表現方法で
楽しかったですよ。

ただ、劇場で表現できていないことがあった。
と私は思うの。
世界観のスケールが、
この小さな絵本の中の方が断然大きい。
朝になって出てくる太陽! 
世の中ぜんぶが金色になってもえちゃうような。 
圧倒的なめっちゃすごいバス。

これは、心に残りますよ。  
そして、対照的に、ひとり孤独な「ぼく」に戻る。 
バスは満員で「ぼく」は乗れなかった。 はじめと同じようにまた、荷物を担いで、歩き出す。 

絵本は遊び道具でもあるけれど、 一人に戻って、自分に向き合う1ページがあるって、いいと思いませんか?

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