日々の雑記

気まぐれ思ったことや思い出したこと書くブログ。
自己満足系。

人間万事塞翁が馬

2025-03-02 01:00:00 | 日記
私が通っている鍼灸院の先生は最初から鍼灸師
になりたかったわけではなく、元々は総合病院
で事務の仕事をしていた人です。そんな人が
何故鍼灸師になろうとしたのか。今日はそんな
話。

理由は結婚と子供でした。子供が3人いるの
ですがその中の1人が障害者手帳の1級の
知的障害を持っている子。知的障害が重度だと
自分の身体の不調を当然自分で言うことが
出来ない。熱とかであればしんどそうにして
いれば親が気付けることもありますが、明確
な症状が出てない不調は分からない。何も
分からないのに病院につれていくことも
出来ない。そう考えた先生は日頃から身体を
触って、不調があればその場で治療が出来たら
良いと考えたのです。そう、それで鍼灸師の
資格を取ろうと思ったのです。つまり鍼灸院
をやっているのは生計のためですが、それとは
別に知的障害を持った我が子のためのでも
あるのです。もちろん奥さんや、他の2人の
子供のためにも使えます。

大きな決断だったと思います。鍼灸師の道に
結構な年齢になってから進み、加えて鍼灸院の
開業。成功する保証などどこにもなかった
でしょう。でも先生は「病院の事務の仕事が
大変だったから良い転機になったと思う。
ここなら患者さんと自分1人だけだからね。
ストレスがたまらないよ」とサバサバとして
言います。

凄いと思います。私は会社の奴隷ですが、でも
会社に属していれば働いている間はちゃんと
給料がもらえます。でも鍼灸院みたいに自営業
になると客がこないと収入ゼロですからね。
私にその選択は出来ないです。

なお先生が鍼灸院を開業したのは先生が大厄の
歳だったそうです。信仰心が無いと言えばそれ
までですが肝が座ってるなあ…と感心します。
でもそれくらいでないと重度の知的障害を持つ
子供を育てることなんて出来ないですよね。
先生の何もかもが私には凄く思えます。

また、お子さんの影響か分からないですが人生で
私があった人の中で最もリアリスト。とにかく
現実主義者で楽観的なことや希望や夢や憶測
は基本言わない。なので治療が終わっても
「これでよくなると思いますよ」的なことは
言わず「これで様子を見てください」としか
言いません「人生はなるようにしかならない」
という考え方は私の亡き祖母によく似ています。