日本の神様
国常立尊
(くにのとこたちのみこと)
恒久なる国土の神
天地の初め、
天と分かれて地が生命力を
宿す国土として
形成されつつあるときに
現れた神です。
「日本書紀」においては、
始めての神とされています。
国土の根源神です。
別名
国之常立神
(くにのとこたちのかみ)
国底立尊
(くにのそこたちのみこと)
大元尊神
神名の「国」は
天に対する地の意味であり、
また「常(とこ)」は、
底のことで土台を意味します。
神格
国土形成の根源神
大地の永久性
「日本書紀」では
日本書紀 巻第一 神代上
第一段 本文では、
このように登場しています。
天地が開ける初めの時は、洲や島が浮かび漂うこと、ちょうど泳ぐ魚が水の上に浮いているようなものであった。その時、天と地の中にある一つの物が生まれた。形は萌え出る葦の芽のようで、そのまま神となった。国常立尊と申す。
天地開闢の段は
「日本書紀」の本文を含め
七種の伝承がありますが、
このうち六種に登場しています。
また四書で最初に現れた神として登場します。
「古事記」では
本文では、
このように登場しています。
次に出現した神の名は、国之常立神。次に豊雲野神。この二柱の神も、独神となりまして、身を隱しました。
「古事記」では造化三神、
宇摩志阿斯訶備比古遅神、
天之常立神に続いて姿を現しました。
そのほか
・吉田神道では、宇宙の太元尊神(たいげんそんしん)として、国常立尊を祀り、八百万の神の中心としています。
・伊勢神道(渡会神道・外宮神道)では、その祭神の豊受大神を天御中主尊や国常立尊といった始源神と同体と捉え、至高神的に見なされることもありました。
・教派神道の大本教(おおもときょう)では、「艮(うしとら)の金神(こんじん)」と呼ばれる根本神を、国常立尊と同一視しています。
神徳
国土安穏
出世成功
開運招福
商売繁盛
悪霊退散
厄除け
病気治療
縁結び
祀る神社
大鳥神社(東京都目黒区)
日枝神社(東京都千代田区)
御嶽神社(長野県木曽郡)
熊野速玉大社(和歌山県新宮市)
玉置神社(和歌山県吉野郡)
物部神社等
説明
・太元尊神(たいげんそんしん)
中国の老子の大元の説に基づく神。天地創成に先立ち、陰陽を超え、初めも終りもなく、宇宙のすべてに顕現(けんげん)するとされています。
・艮金神(うしとらこんじん)
大本教では乱れた世を立て直す神。国常立尊と同一視されています。
新しい知識を得た場合
随時更新予定です。
参考
「日本の神様」がよくわかる本 戸部民夫 PHP文庫