リートリンの覚書

日本の神様54・木花之佐久夜毘売・磐長姫命


木花之佐久夜毘売
(このはなのさくやびめ)


大山祇神(おおやまつみのかみ)の子

日本神話では、
天孫・瓊瓊杵尊と結婚し
日継ぎの御子を生む母として描かれています。
花は満開になればやがて散るように、
美しさと同時に、
の命のはかなさも象徴しています。

・別名 
神阿多都比売(かむあたつひめ)
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
鹿葦津姫(かしつひめ)
神吾田津姫(かむあたつひめ)
神吾田鹿葦津姫(かみあたかあしつひめ)
木花之開耶姫(このはなのさたやひめ)
木華開耶姫(このはなさくやひめ)

・神格


「日本書紀」では


本文では、このように、登場しています。

“その国には美しい人がいました。名前を鹿葦津姫(かしつひめ)といいました。
・またの名を吾田津姫(あたつひめ)。またの名を木花之開耶姫(このはなのさたやひめ)といいます。“

日向に降臨した瓊瓊杵尊は、
木花之佐久夜毘売に出合い求婚します。
父・大山津見神はそれを喜び、
姉の石長比売と共に差し出しましたが、
瓊瓊杵尊は醜い石長比売を送り返し、
美しい木花之佐久夜毘売とだけ結婚しました。
大山津見神はこれを怒り、
「私が娘二人を一緒に差し上げたのは、
石長比売を妻にすれば
天孫の命は
岩のように永遠の者となったでしょう。
木花之佐久夜毘売を妻にすれば
天孫の命は
木の花が咲き満ちるごとく栄えるよう
誓約を立てたからです。
木花之佐久夜毘売だけと結婚したとなると、
天孫の御子の命は
木の花のように儚くなるでしょう」
と告げました。

一夜で天孫の子を身ごもった
木花之佐久夜毘売は、
瓊瓊杵尊に国津神の子ではないのか、
と疑いをかけられてしまいます。
そこで、木花之佐久夜毘売は疑いを
晴らすため誓約をして産屋に入り、
産屋に火を放ち
その中で、
火照命・火須勢理命・火遠理命の
三柱の子を産みました。

一書によると、
天孫・瓊瓊杵尊の子を生んだ際、
卜占によって稲田を選び、
その田で収穫した神聖な米で、
大山祇神が芳醇な酒を醸造し、
三人の子の誕生を祝ったとしています。


そのほか


・木花咲耶姫命は、
父神・大山祇神とともに
酒造の神としても信仰されています。

・木花咲耶姫命を
祭神とする浅間系の神社は
全国に約一千三百社を数えます。
その総本社の富士山本宮・浅間神社は、
富士山頂に奥宮があり、
山岳信仰・神仏習合により
浅間明神、富士権現、浅間菩薩などとも
呼ばれていました。


神徳

農業
漁業・航空
安産・子授け
火難消除
織物業守護など

・主な神社 
富士山本宮浅間大社(静岡県)
子安神社(三重県)
木花神社(宮崎県)


磐長姫命
(いわながひめのみこと)


大山祇神(おおやまつみのかみ)の子、
木花之開耶姫の姉
岩の精霊。

・別名 
石(岩)長比売命(いわながひめのみこと)

・神格 
岩の神
寿命長久の神


「日本書紀」では


本文では、このように、登場しています。

“「私は大山祇神の娘。名は神吾田鹿葦津姫(かみあたかあしつひめ)と申します。またの名は、木華開耶姫(このはなさくやひめ)ともいいます」
そしてさらに言いました。
「私には姉、磐長姫がおります」“

・妹の木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
とともに瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に、
嫁にさし出された磐長姫命ですが。
瓊瓊杵尊に醜いと嫌われてしまいます。
そこで磐長姫命は、大変恨みに思い、
のちに妹の木花咲耶姫命が妊娠したときに、
「もしも私を妻に選んでいたなら、
生まれる子は石のように
長い寿命を得られたのに、
妹の子では木の花のようにちるでしょう」
と述べています。

・主な神社 
雲見浅間神社(静岡県)
伊豆神社(岐阜県)
大将軍神社(京都府)
銀鏡神社(宮崎県)



なんか、
神話を読むと今日ご紹介した姉妹神
可哀想になります。

妹・木花之佐久夜毘売は、
不貞を疑われてしまうし、

もっと不憫なのは、
姉・磐長姫命ですね。

親に言われ、
お嫁に行ったら、
醜と言われ、一人返されてしまう。

容姿だけで判断しないで欲しいなぁ。

可愛い妹と比べられたら
姉さんも恨みたくなるわ。

最終的には、
どちらにも嫌われてしまう、
瓊瓊杵命でした。

さて、今日はこれにて。
明日も、神様シリーズ続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。





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