リートリンの覚書

古事記 上つ巻 現代語訳 四十二 大国主神と御諸山の神


古事記 上つ巻 現代語訳 四十二


古事記 上つ巻

大国主神と御諸山の神


書き下し文


 是に大国主神愁へて告りたまはく、「吾独して、いかにか能く此の国を作り得む。孰れの神と、吾と能く此の国を相作らむ」とのりたまふ。是の時に海を光らし依り来る神有り。其の神の言りたまはく、「我が前を能く治めば、吾能く共与に相作り成さむ。もし然あらずは、国成り難けむ」とのりたまふ。尓して大国主神曰りたまはく、「然あらば治め奉らむ状はいかに」とのりたまふ。答へ言りたまはく、「吾を倭の青垣の東の山の上に伊都岐奉れ」とのりたまひき。此は御諸の山の上に坐す神なり。


現代語訳


 ここに、大国主神(おおくにぬしのかみ)は、愁いて、「吾、独りで、いかにか能(よ)く、この国を作り得ようか。いずれの神と、吾と能くこの国を相作ったらいいのだろうか」とおっしゃられました。この時に、海をてらし依り来る神が有りました。その神が言うには、「我が前を能く祀れば、吾と能くともに国を相作り成すことができるだろう。もし然あらずは、国成りは難しいだろう」とおっしゃられました。しかして、大国主神がおっしゃられるには、「然あらば、祀り奉る状(かたち)はいかに」とおっしゃられました。答えて言うことには、「吾を倭の青垣(あおがき)の東の山の上に伊都岐(いつき)奉れ」とおっしゃられました。これは、御諸山(みもろやま)の上に坐す神です。



・青垣(あおがき)
青々と茂っている垣の意、特に、青々とした山が、垣のように取り囲んでいるさまをいう
・御諸山(みもろやま)
奈良県桜井市の三輪山


現代語訳(ゆる~っと訳)


 ここに、大国主神は、思い悩んで、
「私、ひとりで、
十分にこの国を作ることができるだろうか、
いや出来ないだろう。

いずれの神が、
私と一緒に、
うまくこの国を作れるだろうか」
といいました。

この時に、
海を照らして近づいて来る神がいました。

その神は、
「私を十分に祀ったなら、

私はあなたと共に
国を作り成す事が出来るだろう。

もしそうではないなら、
国作りは成功しないだろう」
といいました。

そこで、大国主神は、
「それならば、
祀りするには、
どのようにしたらよいですか?」
といいました。

答えて、
「私を大和の青々とした山が、
垣のように取り囲んでいる東の山の頂きに
斎き祀るように」
と言いました。

これは、



続きます。

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