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古事記 上つ巻 現代語訳 三十 系譜


古事記 上つ巻 現代語訳 三十


古事記 上つ巻

系譜


書き下し文


故、其の櫛名田比売を以ち、久美度邇起して、生みませる神の名は、八島士奴美神と謂ふ。又大山津見神の女、名は神大市比売を娶ひて生みませる子、大年神。次に宇迦之御魂神。二柱。兄八島士奴美神、大山津見神の女、名は木花知流比売に娶ひて生める子、布波能母遅久奴須奴神。此の神、淤迦美神の女、名は日河比売に娶ひて生める子、深淵之水夜礼花神。此の神、天之都度閇知泥神を娶ひて生める子、淤美豆奴神。此の神、布怒豆怒神の女、名は布帝耳神に娶ひて生める子、天之冬衣神。此の神、刺国大神の女、名は刺国若比売に娶ひて生める子、大国主神。亦の名は大穴牟遅神と謂ひ、亦の名は葦原色許男神と謂ひ、亦の名は八千矛神と謂ひ、亦の名は宇都志国玉神と謂ひ、并せて五つの名有り。


現代語訳


故、その櫛名田比売(くしなだひめ)を以ち、久美度(くみど)を起して、生んだ神の名は、八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)といいます。また、大山津見神(おおやまつみ)の女(むすめ)、名は神大市比売(かむおおいちひめ)を娶い生まれた子が、大年神(おおとしのかみ)。次に宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。二柱。兄の八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)は、大山津見神の女、名は木花知流比売(このはなちるひめ)を娶い生まれた子が、布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくぬすぬのかみ)。この神は、淤加美神(おかみのかみ)の女、名は日河比売(ひかわひめ)を娶い生まれた子が、深淵之水夜礼花神(ふかふちのみずやれはなのかみ)。この神が、天之都度閇知泥神(あめのつどへちねのかみ)を娶い生まれた子が、淤美豆奴神(おみづぬのかみ)。この神が、布怒豆怒神(ふのづののかみ)の女、名は布帝耳神(ふてみみのかみ)を娶い生まれた子が、天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)。この神が、刺国大神(さしくにおおかみ)の女、名は刺国若比売(さしくにわかひめ)を娶い生まれた子が、大国主神(おおくにぬしのかみ)。またの名は大穴牟遅神(おおなむちのかみ)といい、またの名は葦原色許男神(あしはらしこおのかみ )といい、またの名は八千矛神(やちほこのかみ)といい、またの名は宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)といい、あわせて五つの名があります。



・久美度(くみど)
夫婦の寝所


現代語訳(ゆる~っと訳)


そうして、
須佐之男命は、
櫛名田比売と結婚し、
夫婦の寝所で交わって、
生まれた神の名は、
八島士奴美神といいます。

また、
大山津見神の娘、
名を神大市比売と結婚して、
生まれた子が、
次に宇迦之御魂神。二柱です。

兄の八島士奴美神は、
大山津見神の娘、
名は木花知流比売と結婚して生まれた子が、

この神は、
淤加美神の娘、
名は日河比売と結婚して、
生まれた子が、

この神が、
天之都度閇知泥神と結婚して、
生まれた子が、

この神が、
名は布帝耳神と結婚して、
生まれた子が、

この神が、
刺国大神の娘、
名は刺国若比売と結婚して、
生まれた子が、
大国主神。
またの名は、
大穴牟遅神といい、
またの名は、
葦原色許男神といい、
またの名は、
八千矛神といい、
またの名は、
宇都志国玉神といい、
あわせて五つの名があります。



続きます。

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