スコットランドの詩人ロバート・バーンズによるスコットランド方言による1794年の詩。
ロバート・バーンズはスコットランドの伝承歌を収集し、後世に残しました。
日本でもよく知られている「ほたるの光」や「故郷の空」などもロバート・バーンズの作を元にしたもの。
1707年、スコットランドはグレートブリテン王国に合併。
それから約半世紀後に生まれたロバート・バーンズは彼の祖国の伝統を残すために、ときには民族の誇りであるスコットランド方言を使い、消えつつあった文化、トラディショナル・ソングを収集。
「我が恋人は紅き薔薇」はロバート・バーンズの代表的な詩。
歌詞を一見すると美しい恋人に寄せる素朴で力強い歌。
六月に咲き誇る赤いバラの美しさは人生における最良のときを象徴している。
しかし最後の節では別れと再会を誓う言葉が出てきます。
想像できるのは、この男性は何かの事情で(戦争に赴くためか?)最愛の人を残して行くのです。その個人では抑えられない時の流れを「While the sands o’ life shall run.」の言葉で表しています。この最愛のものから引き離す権力への不満と、更に募る想いと祖国復活への力強い意思を秘めて、それは恋の歌である以上に当時のスコットランドの人たちの故郷への想いを反映したものでした。そしてその想いは恋人・愛の象徴である赤いバラに重なるのです。この詩がロバート・バーンズの傑作としてスコットランドで、そして世界で共感されているのです。
My Love is Like a Red, Red Rose
我が恋人は赤き薔薇
ああ、わたしの愛は赤い、赤い薔薇のように
六月に咲き誇る
ああ、わたしの愛はメロディのように
調和を以ってやさしく奏でる
美しい絵のような、わたしの美しい娘、
わたしはこんなに深く愛している:
わたしは変らず愛する、親愛なる人よ、
海が涸れるまで:
海が涸れるまで、親愛なる人よ、
そして岩が太陽に溶けるまで
わたしは変らず愛する、親愛なる人よ
人生の砂が走り去ろうと
さようなら、親愛なる人よ
さようなら、暫しの別れだ!
わたしは再び戻ってくるよ、
たとえ一万マイル離れようと