FUJICA Single-8 P1
1965~1967年発売(¥16,500)
当時、富士写真フイルムが初めて世に出した、Single-8 の シネカメラ
新8mmシステム考案、国内13社とアグファ社との共同開発の基本契約まで結び、
新システムの名称を「ラピッド-8」としていた。
すでにカメラ生産も軌道に乗り、フィルムの量産化を進めようかというところに、
コダックが沈黙を破って自社の新8mm方式である、「スーパー8」の発表があったのだ。
そのフィルム1コマの大きさの優位性から、まともに戦っても勝ち目はないと、
「ラピッド-8」は、発売前に準備した全製品を廃棄処分とし、倉庫に山積みとなってしまった。
東京オリンピックに合わせ、8mm市場を開拓しようとしていた目前のことだ。
「ラピッド-8」計画は中止になったものの、コダック社の新規格が世界標準になることを見据えて、
フィルムサイズは同じくし、それまでの開発で培った技術を活かして、
次なる、富士写真フイルムの新8mmシステムの開発にシフト。
計画中止から1年足らずで「FUJICA Single-8 P1」を世に出すことなる。
あの倉庫に山積みとなってしまった「ラピッド-8」の一部は、
積極的に販売した写真店にトロフィーとして、ゴールド塗装されものがディスプレー用として送られたようです。
それを見ると、この「FUJICA Single-8 P1」と瓜二つなのです。
「ラピッド-8」をベースに「スーパー8」のフィルムサイズの規格との違いだけ設計を見直し、
「FUJICA Single-8 P1」として世に出したと思われます。
GOOD DESIN賞も受賞し、順調に販売数を伸ばしていった「Single-8」だが、
1991年にはSingle-8用のフィルムの生産量は、全盛期の1%にも満たなくなっていた。
ハンディーカムが主流となり、Single-8用のフィルムの需要が、ほとんどなくなったことを意味している。
2005年には生産量が全盛期の0.1%で、工場からの出荷は、年に1、2回だったという。
一度は生産の終了を告げたが、価格の上昇はあったものの当面の延期を発表。
自社製品を使ってくれるユーザーが少数でもいる限り、フィルム供給を続けようという姿勢だったのでしょう。
老朽化した設備の補修や更新に関する費用が大きいこともあってか、
2012年に、Single-8用のフィルム生産は終了した。
消えゆく製品・・・
コアなファンは工夫して使い続けるのでしょう。
=へばまんだのぉ~=
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