『ありがち日記』

恩田陸『ブラック・ベルベット』

神原恵弥シリーズ第3弾!
やぁ~っとここまで来ました。

まずは双葉社のサイトからあらすじです。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。彼がこの度訪れたのは、東西文化の交差点であるT共和国。この国では、全身に黒い苔の生えた死体が見つかっていた。そして、気鋭の女性科学者が入国後に突如消息を絶つ。ふたつを結びつけるのは、想像の域を遥かに超えた、ある事実だった――。

舞台となるのはT共和国ですが、明らかにトルコとわかります。
あの国は独特な文化、雰囲気を持っているので、舞台としては相応しいですね~。

ウイルスハンターである恵弥としての本業部分はあんまりなかったですね。
これまでのシリーズで出てきた人物たちが少なからず絡んできて、シリーズまとめ感もあります。
ついに高校時代の同級生で元恋人の橘も出てきます。
高校時代の同級生3人がトルコに集まるという設定がいかにも何か起こりそうです。

全身に黒い苔の生えた死体というのは何ともインパクトのあるキーワードですが、
結論から言うと、苔ではなかった、ということです。
何なのかは言えませんが。

続きが気になる度では、シリーズで一番だったように思います。
最後の最後で「え。そういうこと?」っていう意外(?)な展開があっけなく明かされるんですが、
もっとその辺りが劇的な展開になるか、もーっと意外性があっても面白かったかなぁ。
でも何となく物語と登場人物である神原恵弥の性格上、これくらい力の抜け方がちょうど良いのかも。

これでシリーズが終わっちゃうのは非常にあっけなさすぎるので、
もっと恵弥の本領が発揮される作品を期待しています!!

ブラック・ベルベットというとカクテルの名前を思い出してしまいますが、
タイトルのセンス的にもこのシリーズはいい感じだなって思っています。
(MAZEは直球過ぎたけど…)


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