『ありがち日記』

『双頭の船』池澤夏樹

気付いたら3月になってました…
周りも自分も何かと忙しくなって、なかなかゆっくりとできないなぁ~。

この時期になると東日本大震災に関連した特集も増えてきて、
あの時からの6年を振り返るようなことも多くなってきました。

そんな中で、池澤夏樹さんの『双頭の船』を読むことにしました。
震災後に何度も被災地に足を運び、こちらの本を書いたのだそうです。
それは知っていたんですが、読もうと思ったのはこの時期になってしまいました。

最初は船長や機関長、数人の船員しかいなかった1艘のフェリーが、
被災地への物資を運んだり、自転車修理をしたり、ボランティア200人を載せたり、
被災者の仮設住宅が建てられてコミュニティが生まれたり…
載せるのは人間だけじゃなく動物も。
だんだんと大きく、複雑な構造になっていくフェリー。
様々な人間関係が育まれ、このまま進んでいくのかと思いきや、
終盤では大きな決断に迫られることになります。
まあ、この船の在り方としては納得かなぁと。
不思議な話です。ファンタジー的なお話です。
文章自体は難しくないのでスルスルと読めました。

いろんな思いを込めて書かれた作品ですねー。
人の再生、町の再生、自然の再生、新たな絆。
こんな風になったらいいなぁ~と思うと同時に、
現実はそんなに甘くないんじゃないかと思っちゃう自分もいたり。
そういう理想と現実との間にある矛盾に目を向ける機会があってもいいのかと思ったり。
この時期に読むことで考えさせれることもありましたよね、やっぱり。

今年の3月11日も間もなくやってきます。 


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