『ありがち日記』

「ROMA ローマ」

Netflixで配信されていた本作。
アカデミー賞で外国語映画賞や監督賞を受賞していて、注目されていましたね。
私はネトフリ契約していないので、半ばあきらめていましたが、
映画館で上映されることになったのは本当に良かった!と思います。

70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。

ほとんど前情報はなく、アルフォンソ・キュアロン監督の
幼少期の体験をもとに作られた映画、ということだけは知っていました。
物語の中心となるのは家政婦のクレオで間違いなさそうですが、
その描き方はどこか客観的でもあり、
主人公に感情移入して観るタイプの映画ではないように感じました。
というか、あまりにもナチュラルに、他人の生活を覗き見るかのような感覚。
モノクロな世界観でありながら、音はやけにリアルだったりして、
過去の記憶を思い返す・思い出すってこんな感じかもしれない。

ある一つの家族を中心とした日常を淡々と描いており、
大きく盛り上がるようなシーンは確かにありませんでしたが、
政治的混乱はこのような日常にも暗い影を落とすもの。
ごく個人的な物語であるにもかかわらず、
一つ一つの出来事に対する喜びや、絶望にも近い悲しみが、
自然に私たちの記憶だったかのように染み渡ってくる感覚でした。

…悲しいなぁと思いながら見ているんだけど、
海辺でのシーンでは、なんかちょっと幸せな気持ちにもなったんだよね…
ポスターにもなっているシーンですが、その前後をちゃんと観ていると、
美しいシーンだなと率直に思ったんです。

フェルミンについては、割とびっくりなシーンもありますが、
それをちゃんと隠さず公開してくださったのは素晴らしいですねー。
別に大したイケメンでもないくせに(ひどいw)、
むかつくやつだな~くらいに最初は思っていたんですが、
彼もまた時代の流れに巻き込まれた多感な青年だっただろうなぁと。

これはPCの画面で見るのもありかもですが、
映画館のスクリーンでどっぷりと映像と音に浸りながら見るのもアリ!
と私は推したいですね😀 

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