グザヴィエ・ドラン監督作品。ドランさすがなのは、GoTのジョン・スノウ役で注目のキット・ハリントン主演、天才子役(と私は思っている)ジェイコブくん、ナタリー・ポートマンなど、キャスティングも絶妙なんだよねー。
ストーリー:
人気のテレビシリーズに出演し、瞬く間にスターになった俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が、29歳の若さで亡くなる。やがて謎に包まれた死の真相が、11歳の少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)との間でひそかに交わされていた100通以上におよぶ手紙によって明らかになる。
前作はいまいちピンと来なかったんだけど、今作は良かった…。彼の作品はとにかく彼という存在そのものをぶつけてきている印象だけど、これもまたそう。ジョン(この名前、ジョン・スノウとかけてる?w)もルパートもドランなんだろうなって思う。
残念ながら、初っ端でジョンはすでにこの世にいない。彼が亡くなったときにまだ少年だったルパートは、すっかり成長してジョンのように俳優になっており、同性の恋人(めっちゃイケメン)と幸せそう。堂々としている。そう、そこがジョンと違うところなんだな…。
ルパートがジョンと交わした手紙によって、ジョンの死の真相が明らかになっていくのだけど、同時に、彼の生活ぶりが、彼の人気とは裏腹に荒んでおり、本当の自分を家族などの近しい人にすら見せられず、孤独で苦悩に満ちていることもわかる。それとシンクロするかのようにルパート少年自身についても母親との関係や友人関係での悩みが描かれている。ジョンは同じような境遇の少年と、どんな思いで手紙のやり取りをしていたんだろう…そこは描かれていないから想像するしかない。。
死の真相は結局はっきりとは描かれないけれど、私は自殺ではなくて事故だったんだと思う。でもそうだったら本当にやり切れない。彼のマネージャーや老人とのやり取りで、前向きになったように見えたから。彼の人生はあまりにも哀しい終わりだったけれど、その思いはルパートに受け継がれているっていうことなんだね。希望がある終わりで良かった。
キット・ハリントン、確かにイケメンだけどそんな好きって程でもなく。でも今作品で目が合う瞬間があって、ハッとしたんだよね。すごい目が良かった。エモいとはこういうことかという瞬間がたくさん。影のある役どころばっかり見ている気がするので、底抜けに明るいとか、お堅い職業(メガネ付き)とかの役で違った姿を見てみたいわー。
ドランの音楽のセンスも良かった。まずアデルで上がったもん。
総合的に、ドラン作品が未見の方にもお勧めしやすい作品だったかな。