フランスBL小説のアンソロジー。
ストーリー:
ラベンダーの香り立ちこめる寄宿舎の暗がりで、栗色の髪の高貴な僕と美しい君は、神の目を盗んで今夜結ばれる。ランボー、コクト ー、ジッド……。憧れの人との初恋が幼い心弾ませるブロマンスから、固く組み敷かれた受難の小羊が、甘い罰に呻くハードコアまで。輝かしいフランス文学の一隅に息づく、美少年たちの「友情以上の熱い関係」の物語を耽美な新訳で味わう、あなたを満たす12篇。
アンソロジーなので、1冊で12篇、抄訳が結構多くて、「そこんとこもう少し詳しく…!」と思うところもしばしば…。底本にあたったところで読めなきゃ意味ないしな。特にフランス文学に馴染みが無いので、ちょっと難しいところも。
時代や宗教的な背景が影響してるんだろうか。BL作品は日本でもたくさん出ているけれど、それよりずっと前の時代に、今でも通ずるようなこれだけの作品がすでにあったんだなって。実際に、表題作にもなっている「特別な友情」は映像化されていたり、日本の漫画家にも影響を与えているということ。私も一番好きなのは「特別な友情」だったかなぁ。萩尾望都先生の作品を読みたくなったわ。
最初は耽美な世界を楽しんでいたけど、後半だんだんハードになっていくような並びに編集されている気が。最後がサド侯爵ですもん!(察してね)
こういう世界もあるんだなっていう勉強になった一冊。ぜひ「特別な友情」は映画版を観てみたい。