『ありがち日記』

藤野恵美『ショコラティエ』

表紙のチョコレートやデザインに惹かれて。


ストーリー
母子家庭で育つ聖太郎は、誕生日会に呼ばれ、製菓会社の御曹司、光博と親しくなる。お菓子作りを通して友情を深めるが、光博の幼馴染、凜々花のピアノコンクールに誘われ、住む世界の違いに直面した。別の中学に進んだこともあり、あるきっかけで距離を置くことに……。それぞれの環境の中、二人は大人になっていく。少年達の成長が胸を打つ極上青春ストーリー。 

何とな~くどこかで似たようなストーリーを読んだことがある、というのが正直な感想でして😅

聖太郎の両親はキリスト教で、お母さんも毎週教会に通う敬虔なクリスチャン。父親が亡くなった時も母親は信仰により救われたところがある。ところが聖太郎は逆に神様の存在や信仰に疑問を持ち始めている。

そんな時に、お金持ちのボンボン・光博の誕生日会に呼ばれてショコラフォンデュに出会ったことから、お菓子作りや光博との友情が育まれていくきっかけとなる。

光博は光博で、幼い頃から何でも欲しいものは買い与えられ、将来は祖父が興した製菓会社を継ぐということが決まっており、不自由なく育てられている。母親の言う通りに、特に才能もないピアノやヴァイオリンを習い、自分の意志で何かやりたいということを思ったことがない。

結局、成長するにつれて離れる2人。
思春期ど真ん中、お互いの境遇の違いで嫉妬や羨望、葛藤を抱える中で自然のことだったのだろうと思う。聖太郎は恵まれた環境にいる光博に嫉妬し、光博も聖太郎のお菓子作りへの情熱や才能に嫉妬している。

高校卒業後、洋菓子店で働きながら修業に励み、新人コンクールで最優秀賞になるなど幼い頃からの夢を着実に叶えていく聖太郎と、惰性で大学へ進むも本当にやりたいことが見つけられずに家に引きこもるようになってしまう光博。

そして、起こる大地震。
この震災を経て、2人の運命も大きく変わることに。
ついに、2人の人生が再び交差する時がやってきた…!と思ったら終わり。

えぇぇええええ!!!!?
こっからどう力を合わせていくかが気になるところなのに!

聖太郎がショコラフォンデュに出会ったことで始まった物語が、再びチョコレートで終わるというところは伏線回収とも言えるけれど、タイトルで「ショコラティエ」としている割にはチョコレートの話題は弱いかなと。むしろこっからショコラティエとしての成長が見られそうというところで終わってしまったので…

でも引き込まれるストーリーで、単に「持てる者と持たざる者」の話ではないところは面白かった。

続編は無さそうな雰囲気で物足りなさはあるけれど、これで良かったのかもしれないね。

お正月休みで一気読みしたら疲れちゃった…仕事が始まったら主に週末のみの読書になっちゃうけれど、2022年も素敵な作品に出会えますように📖

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