泣ける本っていうより心が温まる一冊。
ストーリー:
小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は湖の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語。2019年本屋大賞ノミネート作。
本の帯に「泣ける本」の文字があったけど、別に泣きたかったわけではなく・・・(泣きたいなら千星物語見ればいくらでもw)低浮上の読書アプリでお気に入りの読者さんがおススメしていたのが、どこかで頭に残っていたみたいで手に取ったという感じです。
短編集の形は取られていますが、ナスミさんが中心にいることは間違いない。ところが彼女は1話目で病気のため亡くなります。彼女が一体どういう人物なのかわからないまま、そこから彼女とつながりのあった家族、友人・知人の記憶を通してどんな人だったのか知っていくという不思議な感覚。そしてナスミさんのことがだんだん好きになりました。
人はいつか亡くなりますが、その人自身は何かに宿ってもしかしたら身近なところに存在しているのかも…決してホラー的な意味ではなく(笑)誰かの記憶でも、残した物や成し遂げたこと、どんな些細なことでもきっと。そんなことを考えさせられるお話でした。
私自身、いとこが若くして亡くなりました。いとこ同士の中では年上の優しいお兄さん的存在でみんなに慕われていましたが、その日は突然やってきまして。でも、私の中ではお酒の席での何気ないアドバイスとか心の中に残っていて、ふとした時に思い出したりします。プライベートなことだったので自分だけの記憶として誰にも話していませんが、せめて私が忘れない限りは存在し続けるし、私の考えや行動に何かしら影響しているとしたら、私が何かを残すことができるかもしれない…一見何も無さそうな日常でもそういうことの積み重ねだとしたら素敵だなぁと思います。
私が亡くなる時は誰にも迷惑かけたくないなとかよく考えてたんですけどね💦そういうことも大事だけど、この本を読んで違う視点でも考えられるようになった気がします😊
まずはね、見届けなければならないものやことがあるので(あえて何とは言わないけど…)、今は精いっぱい生きます!!!