『ありがち日記』

紀蔚然『台北プライベートアイ』

翻訳は舩山むつみさん✨


ストーリー
台湾発、私立探偵小説の新たなる傑作が登場!
監視カメラの網の目をかいくぐり、殺人を続ける犯人の正体は?

劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。
にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれ、警察から犯人と疑われる羽目に陥る。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。
監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は?

舩山むつみさんが翻訳した本を読んだのは『辮髪のシャーロック・ホームズ~神探福邇の事件簿~』に続いて2冊目。辮髪~も面白かったけど、こちらの舞台はもう少し馴染みのある台北。もうねぇ、台湾ドラマとか旅行で感じる台湾って感じの空気感が文章だけで伝わってくるよう。そういう雰囲気を感じられるだけでも読んで良かった!って思う。

ほど良いハードボイルド加減なのもまた好み🤭

主人公(私立探偵)が完璧じゃなくて、少し問題を抱えているところも良いんだよね。呉誠は特に精神疾患を抱えているので、彼は本当に正しいことを言っているのか?とちょっと疑ってみたり、行動パターンにそういう疾患の影響が垣間見えたり。一癖二癖あるので、事件の異質性も相まって複雑で絡み合っているように見える。

シャーロック・ホームズもね、ちょっとそういう面白味あるよね。

シャーロック・ホームズにはワトソンがいるけれど、呉誠にはそういう固定の人はいなかった。というか、そうなるのかな?と思う人は出てきたけど、ワトソンほどの位置づけとは違うかな。台湾らしさはそこにもある気がする。とにかく周りの人間が皆おせっかいなのだよ(笑)台湾ドラマを見ていても、家族や近所のおばちゃんなんかが良い意味でおせっかいで賑やか。そういう温かさみたいなものがあるなと思った。

続きが2年くらい前に出ているようなので、ぜひまた舩山さんの訳で読みたい。1ページが2段組になっているので、一見普通の厚さの本だけど、実はものすごい文字の量。なかなか読み終わらないのを覚悟で😅

また台湾にも行きたくなりましたー。


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