The wORLD of the wIREwORK

針金で色々作ってます

萌についての考え

2010年03月27日 | 日常
ツイッターに興味はあるものの、フォローなんて誰からもされずにミクシーの二の舞になるのが恐ろしいですなう。
だから私は今更ながらブログな訳です、なう。


ご当地商品に萌絵を貼り付けて売り出す商品がニュース系のサイトで盛り上がっているようです。
萌え納豆カレー、麦ちゃんのたくあん、梅先生のイラストの梅酒、色々言いたいことはありますが、フォントを変えても言いたいことはこうです。

変にアグレッシブになるな!職場でいちいちコメント求められて恥ずかしいんだ!!

まったく、私は社会的にはアキバとか萌え絡みなんて知らない設定なんだから、普通の人の目の届く範囲にそんな物を置くんじゃない。
特に麦ちゃんのたくあんなんて、キャラ物にしては良心的な値段設定じゃないか!

経済活動的に見て、包装をちょいちょいっといじっただけで、宣伝費が浮くんだから供給側にしたら美味しい話ですが、経済合理性以外のあらゆる面が間違っている気がします。
マイナスに勘定するものは、デザインや印刷といった目に見える部分だけなんですか?
そういえば、ペプシのキュウリ味やAZUKI味は、味ではなく話題性で、つまり宣伝費の削減によって結局は儲かる仕組みのようですが、それと問題は繋がっているような気がします。このチャレンジャブルなペプシは、河童と小豆研ぎ以外は味方面では誰も喜ばないでしょう。

私も、萌えを生業とするものの端くれとしてこの事態に、一つアイディアを出しておきましょう。Lを継ぐものとして。

昨今の萌え食品で文句を言いたいのは、その文字通り取って付けた
ような底の浅さです。萌え食品に足りないものは、スピード、そして設定です。
構図とか画風は、専門外なので分かりませんが、とりあえず商品持って小首傾げる構図は古いと思われますので、いっそ商品は小物として持っている位のさりげなさは必要です。どこのキャンペーンガールなんだよ。
そうではなくて、商品についてくるブックレットでキャラの詳細書いたりその人となりが分かるようにしておきなさい。そして、フルカラー24Pの上製本で、ついでに箔押しもやっちゃえ!やったね、妙ちゃん!

大塚英志の「物語消費論」、あれ「物語消滅論」? には20年前に既に見えない大きな物語りを、小さな物語りで補完していく形式が、広告代理店の要請(つまり時代の要請として)、ビックリマンシールを題材に説明されました。
私たちが、ビックリマンに夢中になったのは、裏面のたった一行の「噂」を通して見られる見られるビックリマンの世界観だ、ということらしいです。
今、世界観だの設定だの、細かいことをいうおたくはいないと思いますが(ついでに言うなら萌えなんて死語口走るおたくもいないと思いますが)、こういう神が宿らない細部にこだわってこそ、おたくの本懐というものです。

例えば、アイドルマスターでキャラ育成できないはずの事務員律、じゃねーや小鳥さんの人気はこの細部に宿る萌えという概念(ひいては換金性のある情念)を考える上で非常に有用な存在です。

我々が金を出すのは、我々がいいと思ったものだけです。
私のような、自称・審美眼のある玄人(笑)をうならせる手立ては、こちらが引いちゃう位に作りこまれ、考え抜かれたキャラの設定です。後は勝手におたく共が一人歩きさせてくれます。小鳥さんの妄想のように。

つまり、絵師の巧拙を評価できないなら、それに見合った戦略が必要になるわけです。
「時代は萌え。萌えでいきましょう、社長」みたいなバブルなノリで参入されても、場違い感でこっちが恥ずかしくなるのでやめて下さい。ちゃおの絵柄は萌えではありません。どちらかと言うと、なかよし風のあっさり感が時代のトレンドでナウい感じですよ。

「萌え」という言葉の古臭さと何言ってんだこいつら?感を理解できたなら、こんな業界からは足を洗っておきなさい。後で黒歴史にされんぞ。



さて、同様に、外部からのおたく業界参入の話です。法的な意味で。

非実在青少年は3月末が制定期限みたいですね
あれの迷走を見ていると、いかに世の中のおたく的なものの見方が偏見と不理解に満ち溢れているかが分かります。
別に理解してくれなんて頼んでませんが、おたく的なものは、小さいコミュニティで細々じめじめやってるのが正しい姿なんです。経済的な正しさや倫理的な正しさは閾値を越えたときに言ってくれよ。
あ、超えたから言ってきたのか。それだったらすいませんでした。気をつけます。
あなた方もその閾値についての理解が私たちとは違うようなので、まずはそこから議論を始めましょう。

規制派の言う「道青少年の健全育成」も反対派の言う「表現の自由」もそれぞれに正しいことだと思います。
問題はひとつの現象の中にそれぞれが内包していることでしょう。
お互いの掲げている主張は、間違ってはいませんが、ゼロサムな状況だと思います。相手の陣地を奪ったら自分の陣地になるってルールで、規制派はてめーらに陣地なんてない、と言ってるような印象が私にはあります。

おっしゃることはもっともです。今まで陣地に関して、表現の自由ばっかりで、私たちは道徳へと目を向ける努力を怠っていました。
私のこのブログも影響力は極小といえども、自覚がないままに犯罪教唆や悪徳へと助長する可能性があることは自戒すべきでしょう。

そうは言っても、陣地の再分配に関しての、議題のセッティングが余りに雑なあたりアニオタは市ねって言外に言われているようで、カチンときます。

確かに右へ倣えのエロパロばっかりじゃ、そう思われても仕方ないか。
でも、お宅ら話聴くのも仕事だろ。金もらって話聞かせるだけなんていい商売だな!


そんなわけで、萌え食品については私をコンサルタントとするなら賛成、青少年育成条例に関してはちょっと待て、な私です。

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