2001年にディスクロージャー・プロジェクトというUFO隠蔽の事実を開示しようとした講演を開いたスティーヴン・グリア医師。
韮沢さんを代表格に、UFO論者には眉唾な印象が拭えない中で、この方だけは別格に思えた。
信頼性高い人物を集めて彼の言うところの「真実」を公表し、理知的に話を進めるからだ。
そのグリア氏による久しぶりの大きな講演がこの6月にあったことを知り、YouTubeで早速全編閲覧した。
22年分の進展が凝縮されているとの期待から、3時間すべてを最初から最後まで見た。
期待外れというよりも、正直落胆した。
やはり、私は騙されていただけなのかと…
今回、パネラーとして発言したのは正体不明の軍人や民間人。
それも、聞き古したようなUFO目撃談を延々とまとまりもなくダラダラ話しているだけ。
信憑性が皆無なのだ。
そして最後には、「ゼロポイント・エネルギー(フリーエネルギー)を2026年に実用化するため、みなさん寄付してください!」で終わるのである。
ひとことで言ってしまえば、募金を集めるための戯言を、延々三時間見せられていたのである。
発言内容の骨子は、22年前と全く同じ。
進展皆無。
<主張>
・地球外生命体は1940年代から来訪している
・リバースエンジニアリングで、1950年代には人類はフリーエネルギーを獲得していた
・しかし、エネルギーが無料で無限に利用できるようになると、石油メジャーや原子力産業などが成立しなくなる
・だから、「影の政府」が事実を隠蔽してきた。そして影の政府は、独自の予算と軍隊(地球外技術を使った先進的な軍備)を運用している
・人類にとっての脅威は、中国でもロシアでも北朝鮮でもイランでもなくて、この影の政府
・フリーエネルギーを実現したら、温暖化問題も公害も貧困も一気に解消! ついでに影の政府も滅ぼせる
で、今回最終的に強く主張されたのは、
「私がフリーエネルギーを今すぐ実用化するからお金をいっぱい寄付して!」ということだけであった。
理知的だったグリア氏も、老齢には逆らえず頭脳が極端に衰えたのか。
いよいよ金銭に困って、一度成功した「ディスクロージャー・プロジェクト」で2匹目のドジョウを安易に狙って失敗したのか…
講演の構成が、すっかり詐欺師やインチキ宗教家と変わらなくなっていた。