アナログ盤ブームだと言われている。
本当にそうかしら?
そう考える理由はいくつかある。
<その1:そもそも圧倒的少数派>
ほとんどの人は、もはや音楽はサブスクで聴いている。
たいていが、iPhoneにAirPodsでリスニングしているのではなかろうか。
レコード・プレイヤーをオーディオに接続してスピーカーで聴くなんて人は、パーセンテージにしてどのくらいだろう?
ブームというにはあまりにもマイノリティな気がする。
<その2:ブームというには長期間過ぎる>
アナログ盤ブームって、実は90年代末くらいから言われ続けているって知ってましたか?
ようは、CDよりレコード盤の音の方が好きな人ははるか以前から世界中にたくさんいて、だからこそレコード盤のプレス工場が消滅したことはない。
20年以上続いているマーケットを「ブーム」と呼ぶことには、相当な無理がある気がする。
レコード盤こぼれ話をしておくと、生産国で製品の質が違う。
以下に書く特徴は、主に80-90年代オリジナル盤に関して。
最近のリイシューものは全般にしっかりしているので、当てはまらないと思う。
<日本盤>
日本盤信者というのはいる。これが世界中にいる。
主に、日本独自の「帯(オビ)」やジャケットに人気が集まっている。
で、肝心な音質はといえば、破綻がなく品質にばらつきがない。
ので、日本盤の信用は高いわけだ。
が、US盤やUK盤にしかない魅力があるのだから奥が深い。
<US盤(アメリカ)>
品質のばらつきが激しい。
「バリ」と呼ばれるビニールの成形不良やラベル貼り位置の不具合などが圧倒的に多い。
「新品ですが、神経質な方は購入をお控えください」
という注意書きが必要かも。。。笑
なので、日本盤とUS盤の両方が存在して選択できるのであれば、私は日本盤を選択する。
US盤、なんとなく「レコードの溝が浅いんじゃないの?」って感じであっさりとしたサウンド傾向にある。盤質がやわらかいので、その影響なのかもしれない。
一方、音質はやさしくて繊細なので「心地良い音だー!」と感じるのはUS盤が多い。
<UK盤>
日本盤とUK盤が選択できるのであれば、私は迷わずUK盤を選択する。
UK盤、まず盤質が固くて、なんとなく「レコードの溝が深いんじゃないの?」って感じがする。
溝の深さを測ったわけではないけれど、実にエッジの効いた明瞭なサウンドが鳴るからだ。
「しっかりした良い音だー!」と感じるのはUK盤。
日本盤に比べると品質にばらつきはあって、特に「スタンパーの寿命尽きてるのにプレスしてるっしょ?!」という盤にあたることがある。
ただ、「ハズレひくかも?!」っていうリスクはUS盤よりはるかに低い。
とまあ、生産国別の印象をつらつらと書いたけれど、優劣をつけたいわけではなくて、特徴を書いておこうという意図だけ。
好きな音楽をレコードで楽しむ人が増えてくれたら嬉しいなぁと。