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天上天下唯我独尊

7月、夏祭り(川崎市多摩区)

遠くから、世界が終わるかのような地響きが聴こえてきた。

近づいてみると、巨大な和太鼓が練り歩いていた!

 

 

多摩区向ヶ丘遊園あたりって、戦後になって開発された埋立地とか山を切り拓いた新興住宅街と違って、地域性というか歴史観というか、人間の営みがちゃんと時を重ねて文化として根付いている。

私は、CGやプラモデルのような都市部より、こういった風情が残る街の方が何百倍も好き。

 

江戸時代に開墾された用水路の脇を走る舗装道路さえ、どことなく歴史の名残を感じさせてくれる。

 

青空も緑も人間も、もう何百年もこのあたりで存在し続けているのだろう。

風景は変わっていけども、変わらない土地の記憶。

 

このあたりの歴史なんてなんにも知らないのだけれど、護岸している石積みにさえ、なにかストーリーが秘められていそう。

ゆく川の流れは絶えずしてまたもとの水にあらず…

 

錦鯉が心持ち爽快そうに遊浴している。

 

小田急向ヶ丘遊園駅の歴史も長い。

稲田登戸駅として開業したのは昭和2年(1927年)だから、まもなく100年。

 

駅の通路、どことなく昭和。

令和になっても、昭和。

 

しかし、駅周辺はもうずっと、下手したら20年以上再開発が続いている。

こんな空き地が、そこかしこに生まれては、数年後にはあたらしい建築物となって消えてゆく。

 

常にどこかを工事しているせいだろうか、こんなそっけない鉄柵があちこちに放置されていて、景観としてはあまり褒められたものではない。

もう何年も、この感じ。

自治体の政治家や官僚が無能なのか、単に街に活力がなくなっただけなのか…

 

おそらく放置されている居住者のいないコンクリの建築物。

治安も悪化するし景観も損ねるのだから、放置したり更地にするより、手入れして古いままの姿で活用できなかったものなのか?

 

古い駅舎も、ネオンによって今感は演出されている。

好きなんです、この駅舎。

壊さないで保存して欲しい。

 

昭和感ある通路は、夜になると少し怪しげ。

地方感、嫌いじゃない。

 

しかし、ホームは煌々と照らされている。

ここが田舎ではなく都会の一角であることを痛感させられる。

 

向ヶ丘遊園が消滅して何十年も経つけれど、いまだ駅名は向ヶ丘遊園駅。

それでいい。

変えないで欲しい。

 

撮影したカメラ:CANON EOS M100


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