5月初旬だというのに、30℃の真夏日。
初夏というのも憚られる陽気。
陽射しがすっかりSummer Version!
生田緑地内にある民家園に入ってみる。
もう、何度もきているところだけれど、飽きることなく何度もリピートしてしまう施設。
私がこの界隈に居を構えたのも、この生田緑地の存在が大きい。
鉄筋コンクリートに囲まれた六本木ヒルズや湾岸エリアになど、微塵も惹かれない。
山や川がある景色こそ、贅沢。
なんで都心の方が土地が高いのかといえば、利便性が高いからだ。
要は「利」。
利とは、生命や人間の本質を見失わせる最大の要因だと思っている。
置いておいて。。。
園内には、関東地方を中心に甲信越など各地から集めた古民家が再建されて並んでいる。
ハウジングセンターのような無機質な陳列ではなく、まるで山里にまだそこで人が暮らしているかのような自然な配置が心地よい。
水車小屋なんかも、その里山風情に一興を添えている。
で、見た目の外観だけではない。
各家屋の室内には、当時の生活を思わせる備品や家具がこれまた自然に陳列されている。
囲炉裏を囲んで夕食を楽しむ家族の幻影が浮かんできそうな雰囲気。
昼間だけど室内は薄暗く、火を灯した囲炉裏はまさに生活の瞬間をのぞき見たたかのような錯覚を起こさせる。
合掌造りのこの家屋には蕎麦屋が入っていて、ここでとる食事は実に風情がある。
他にも、こんな古民家がそこかしこにあって、眺めているだけで心が和む。
鯉のぼりも、こういった風景にこそ相応しい。
初夏の空を泳ぐ姿、郷愁とともに心を打つ。
青空と白い雲と新緑と日本家屋。
完璧な情景が、これでもかと続くエリア。
山の斜面をめぐる階段や石塁がまるで時空を超えてしまったかのように佇み続けている…
混雑した観光地に出かけるくらいなら、新宿から小田急で20分の向ヶ丘遊園駅から徒歩12分の生田緑地に出かけたほうがよほど心が潤うのではなかろうか。
私は、この緑地を抱えた街が、とても好きだ。
ちなみに、今回の写真は全てキャノン EOS M100で撮影したもの。
コントラストや空の色はニコンの方が好みだけど、Canonのやわらかい発色も好き。