リフトドライバーに挑戦!60才になったので新しい冒険をします。

ウィークエンドだけトライします。Driveしたらジャーナルを書きます。よろしくお願いします。

サンフランシスコの幽霊たちー1-

2023-05-09 03:03:11 | サンフランシスコの幽霊
サンフランシスコには幽霊がいます。 
恨みがましかったり、恐ろしい外見をしているとかではなく、何気なく日常を生きている幽霊です。

初めに見かけたのはアントワネットです。
時々行くフレンチレストランのランチタイムに現れました。
小さくて無名のレストランですが、フレンチなのでお値段は高めですが、シーズン毎に$10.00コースの日があるので、 
その時は長めのランチを楽しみます。

ある$10.00コースの日、一人で優雅なアペリティフを楽しんでいると、窓際の角席に一人の女性が座りました。
とても美しい女性です。
ウェイターがサッと近づきシャンパンをテーブルに置きました。特別細くて素敵なフルートです。
ウェイターはその後すぐ金色で透明な寒天と小さなバラの砂糖漬けを載せたランチプレートをシャンパンの横に置きました。

女性は細い指でキラキラ光る寒天をつまみ口に入れると、シャンパンを一口飲みました。
そして窓の外の街並みに目を向けています。

私はその女性にボーっと見とれました。
私のアぺりティフもコンソメジェリーでしたが、金色ではありません。
けれどその女性の真似をして指でつまみ口にいれ、スパークリングウォーターを飲みました。

女性は相変わらず素敵な姿勢で座り、窓の外を眺めています。

私は運ばれてきたアントレに夢中になり一瞬女性から目を離しました。
その1-2分の間に、女性は消えてしまいました。

テーブルに残されたランチプレートとフルートを片付けに来たウェイターに、
女性が食べていたきれいなアペリティフの名前をたずねると、ウェイターは私を見て微笑みウィンクをして無言のままキッチンに消えました。

デザートとコーヒーを終えてレストランを出る時出口で見送ってくれた別のウェイターに窓際の女性の事をたずねると、
「彼女も彼女のウェイターも昔の人です。あの席がお気に入りなんです。」と、教えてくれました。
「素敵な人ですね。」を私が言うと、elle n'est pas de ce mondeと答えました。

コーヒーとデザートを終えてレストランを出た後私はずっと夢心地でした。

仕事終わりはいつものようにWater Barへ直行です。
Water Barは、サンフランシスコに半世紀近く住んでいるきみこさんが経営するノン・アルコールバーです。
不思議な体験をするとWater Barへ行ってきみこさんに話します。

さっそくランチ時に見かけた美しい女性の話をすると、
「アントワネットとアンドレに会ったのね!」と、きみ子さんが嬉しそうに、羨ましそうに、言いました。
「有名人?」と聞くと、きみこさんもelle n'est pas de ce mondeと答えました。 




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