リリース:1992年
また、久しぶりの投稿となってしまいました。申し訳ありません。
体調もさることながら、端末の都合がつかないのが主な原因でして。
さて今回は平松愛理さんの『部屋とYシャツと私』を取り上げます。
いつまでも新鮮な想いの夫婦関係でいられたらとは、誰もが最初は願うものかもしれませんが、倦怠期を経験し、子育ての試練をなんとか乗り越え、ロマンスグレーになる頃には家庭内別居で、お互いに気を遣い合うことなどなくなってしまう、大方そんなものだというはうがった見方でしょうか。
この『部屋とYシャツと私』にも『あれから』編の歌詞があるようですが、あまり聞くのはおすすめできません。
それだけに原曲の歌詞がすぐれていると思うのですよ。
この歌詞の一番言いたいことは最初と最後。
つまり「お願いがあるのよ」「人生の記念日には君は綺麗といって」
なのかもしれない、と言うのが私の仮説です。
いや、仮説というより、それが何歳になっても輝きを失わないための答えだと、私は信じているんです。
まあ、それはそうと1番の歌詞から見ていきましょう。
「お願いがあるのよ あなたの苗字になる私
大事に思うならば ちゃんと聞いてほしい
飲み過ぎて帰っても 3日酔いまでは許すけど
4日目つぶれた夜 恐れて実家に帰らないで
部屋とYシャツと私 愛するあなたのため
毎日磨いていたいから 時々服を買ってね
愛するあなたのため きれいでいさせて」
服を買ってね、と言われて一緒に服を選んでくれるパートナーがどれだけいらっしゃるかしら?
多くの男性は女性の買い物の時間が長いと感じているのでは?
本当は一緒に選んで、「よく似合うね」とか言ってほしいのよ。
余談になりますが、あなたいつのお生まれ、と言われるかもしれませんが、
農村部ではどこの家でも、大人の女性は白い割烹着を着ている光景が焼き付いていて、
女性がおしゃれを楽しむようになったのはまだ100年はたっていないのだと思う。
だから綺麗でいたいという願いは、本当に聞いてほしい。
次に2番の歌詞を見てみましょう。
「いつわらないでいて 女の勘は鋭いもの
あなたは嘘つくとき 右の眉が上がる
あなた浮気したら うちの食事に気をつけて
私は知恵をしぼって 毒入りスープで一緒にいこう
部屋とYシャツと私 愛するあなたのため
毎日磨いていたいから 友達の誘うパーティー
愛するあなたのため おしゃれに行かせて」
浮気をされたら毒入りスープを作るかどうかは別にしても、
あなただけ一人で勝手に逝ってね、ではなく一緒にいこう、というところの意地らしさがわかるでしょうか。
3番の歌詞も見てみましょう。
「大地をはうような あなたのいびきも歯ぎしりも
もう暗闇に独りじゃないと 安心できて好き
だけどもし寝言で 他の娘の名前を呼ばぬように
気に入った女の子は 私と同じ名前で呼んで
ロマンスグレーになって 冒険の人生
突然選びたくなったら 最初に相談してね
私はあなたとなら どこでも大丈夫」
ロマンスグレーにさしかかったとは思ってはいないけど、否が応でも貰える年金の見込額の少なさに冒険の人生を歩まざる得ない。そう不安の雲がかかってきているときに、まず相談する相手がパートナーだということは心強いことじゃない?
そして最後のフレーズを見てみましょう。
「もし私が先立てば オレも死ぬといってね
私はその言葉を胸に 天国へと旅立つわ
あなたの右の眉 看とどけたあとで
部屋とYシャツと私 愛するあなたのため
毎日磨いていたいから 人生の記念日には
君は綺麗といって その気でいさせて」
「もし私が先立てば オレも死ぬといってね」という言葉に嘘偽りがないかどうか確かめた上で、というところがかわいいですね。
冒頭にも書いたけど、「君は綺麗」と言われていたいのよ。たとえシワのよったおばあちゃんになろうとも。
最近、私の周りで『科捜研の女』に出てくる沢口靖子さんのような髪型をした女性が多いのも、いつまでも綺麗と言われたい女性が増えたからなのかもしれない。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
「綺麗だね」って言葉には人間関係を潤す力がある。私はそう信じています。
読者の皆様もこの歌詞を今一度味わってみてはいかがでしょうか?
それではまた・・・。
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