小林製薬の紅麹による被害が拡大している。
健康を保ちたいと思ってサプリメントを摂っていただろうに、
それが仇になるとは、
被害にあわれた方たちがほんとうに気の毒である。
また、
発酵のプロ、ともいうべき
味噌や酒造メーカーまでが
青ざめて商品回収に走っているというのが
なんとも情けないと素人ながら感じてしまう。
紅麹は使ったことがないが、
いわゆる「麹」なら
甘酒や味噌を手作りする人には
馴染みがあると思う。
私も以前、
味味噌づくりから発展しての興味で、
「種麹」についてのブログを書いたことがあった。
「種麹」とは文字通り
麹の種になるもの、
酒蔵で杜氏が酒米のうえに
フルイでフワフワ~と振りかけている、
アレ。
あれは酒蔵が勝手に作っているわけでなく、
種麹屋から購入しているということをそのときに知った。
スーパーで売っている麹も然り。
麹屋が種麹を種麹屋から購入して自前の米と水で麹を仕込み、
販売している。
種麹屋という職業が存在しているのもすごいが、
驚くのはその少なさで、
現在では日本に十指より少ない数しか存在していないそう。
なぜそんなに少ないのか?
ひとつには管理の難しさがあるようだ。
種麹屋の一つ、
九州の河内商店のご当主、山元さんの書かれたものによれば、
種麹はなんといってもカビであるだけに品質保持がとても難しく、
突然変異の危険性は常に付きまとうそうである。
「そのために我々種麹屋は日夜顕微鏡をのぞきこんでいるのです。」
と書いておられた。
そして続けて
「麹を種にして自分で麹を増やしていくなどの行為は絶対しないように。
元の種の持つ力が弱まることで、変異することもある。
とても危険なことです」と厳しい言葉で戒めていらっしゃった。
購買した麹を種にして自家で麹を増やしていくのは「友麹」という製法で、
以前は一般家庭で行う人がいたらしい。
そして、研究者の良心からでたこの直截な言葉は
麹を健康食品としてしかみていなかった私の心に大変衝撃をあたえた。
今回の問題は消費者の注意で防げることの域をもはや超えてしまっている。
それでも一消費者として何かを学び取ろうと考えたら、それは何か。
考え続けることが大事だと思いたい。
🐣 🐤 🐥
うーん、くそ真面目になってしまいましたー。
なんだかモヤモヤしたままなので書こう、と思い・・。
長々と読んでいただきありがとうございました。
自分も含めてですが、周囲の物がどういう成り立ちでそこにあるのか、
すべてを説明できる人はたぶんいないですよね。
それほどわたし達は多くの物に囲まれて暮らしています。
小学生みたいな好奇心で周りを見回すことが必要なのかもね、と思う今日この頃・・・