歩き日記

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「植村直己と山で一泊」のはなし。

2013年08月02日 | Weblog
 山の案内 歩き日記 ※ビーバル「植村直己と山で一泊」の文から一部引用。
 「ビーパル」の付録に「植村直己と山で一泊」の対談の冊子、がついていたので購入した。植村は、対談で、植村冒険を支えた道具たち、極地での食事、冒険について、植村直己の歴史、冒険家の道具、世間話と夢について、体験を交えながら、語っている。対談は、遭難9ヶ月前の昭和58年5月のことである。

 極地での食事を紹介したい。植村は、まず冒険する現地に入り、そこで暮らし、現地の人と同じ物を食べ、同じ服を着る。北極圏1200kmソリの旅では、まさにそれを実践し、エスキモーと同じ物を食べ、同じ服を着て、長い間一緒に生活し、極地に生きる、エスキモーの知恵を学んだのである。

 植村は、最初、吐きたいほどまずい、アザラシ肉の味を、「美味しい」と、感じるまで、味覚を慣らした。そして植村は、アザラシ猟をしながら12000Kmのソリの旅を成功させたのである。沢山ある中の、驚きの食い物の話しから、一編だけ紹介したい。

◆キビヤックの話し

 グリーンランド北部にアパリアス(ヒメウミスズメ)という鳥が春先(5,6月)になると渡ってくる。黒と白のハトより小さい鳥である。、エスキモーの人たちは、40mぐらいの竿の先に網をつけ、空中でそれをふると、網の中にアパリアスが飛び込んでくるの捕獲する。

 このアパリアスを保存食にしたものをキビヤックという。植村は、これが大好きであった。キビヤックは、アザラシを一頭用意して、肉と内臓を全部抜いて、皮下脂肪だけを残しておく。

 そして捕獲した、アパリアスを羽根のついたまま詰め込んで、裂いたお腹の皮を縫い、3ヶ月以上放置すると、夏場に気温が上がって、皮下脂肪が溶けて、それが鳥の中に浸透していく。

 秋頃からお客が来たときや、お祝いのときふるまう。エスキモーの人にとっては、大変な御馳走で、実際凄く旨い。羽根も解凍して、毛をむしると簡単にとれる。骨以外はみんな食べられる。

 皮がすごくうまく、内臓もドロドロになって、もっとうまい。キビヤックを両手に持って、肛門に口をつけて吸って食べる。匂いはきつく、石鹸で洗っても2,3日は匂いがとれないが、匂いのこと、気にしていられないぐらい美味である。

 北極点に無事到着した後に植村がキビヤックにかぶりついている写真が残っている。その植村は悲しいくらい、いい表情をしている。

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