歩き日記

登山道情報・ウォーキングコース情報・愛犬とのウォーキング・生き物・植物・音楽など

油津日南海岸を歩く名所案内

2006年10月06日 | Weblog
山の案内 歩き日記 今日の猫たち マップ→ウォーキングコースの案内 写真で見るウォーキングロード

◆油津(あぶらつ)

 油津は吾平津がなまったものとも言われ、吾平神社に祀られる吾平津姫との関連が語られることが多い。他説には荒波の無い穏やかな海面が油のような様子なので油津と呼ばれるようになったと言われている。

◆鯨魂碑(げいこんひ)

 江戸時代に嵐が続き油津の漁村は不漁で食べ物が無くなり餓死寸前のところ油津の浜に大きな鯨がうちあげられ、油津の人々は天の助けと、ハシゴをかけみんなで分けあって食べた飢えのしのいだ。

 ところが鯨は子供を宿しており、人々は鯨の恵みに感謝し親鯨の目玉と子鯨を手厚く弔い供養した。その後は、嵐もなく大漁が続き人々が飢えに苦しむことはなくなったと言う。

 ◆堀川運河(ほりかわうんが)の歴史

 堀川運河が完成する前は、北郷町あたりで伐採された飫肥杉は、広渡川を下り海に出て、梅ヶ浜の沖から大節鼻を廻って油津の港へ曳航されていた。そのため強風や潮流で流出する木材も少なくなく、命の危険もあった。

 この窮状を見かねた飫肥藩主伊藤祐実は1963年運河掘削の工事に着手した。工事は固い岩盤を掘削するため難工事で2年8ヶ月の歳月をかけ完成した。

 堀川運河は広渡川近くに水門を設け、油津の町を東西に分断し、港まで900mに及ぶ運河である。この運河の完成により木材の積み出し効率が飛躍的に伸び、産出する木材は「弁甲材」と呼ばれ、造船材に適していたところから需要が伸び、油津繁栄の礎を築いた。

 堀川運河は造船技術の進歩などで昭和20年代を頂点にその役目を終えようとしていた、昭和40年代、家庭や工場排水で水質が汚染され、悪臭で一部が埋め立てされた。

 昭和50年代には入り堀川運河の埋め立てが検討されたが、昭和60年代になり保存を求める声が強くなり、古い町並みとともに存続の機運がたかまり行政、住民一体となった存続運動が続けられている。

 弁甲流しも復活し、堀川運河祭りなどの観光イベントで見られる。堀川運河は、松竹映画「男はつらいよ(寅次郎その青春)」でロケ地になったことで、その名を全国に広めた。

 堀川橋袂にロケ地記念板、戸村レストランの裏手に渥美清さんが平成6年最後の句会で詠んだ句碑がある。「背のびして大声あげて虹を呼ぶ」

◆堀川橋

 堀川運河の中流域に架かる石橋で、1899年飫肥に石工であった石井文吉が4年の歳月をかけ1903年に完成させた。堀川運河の完成で油津の町が分断され、行き来に支障を来たし木橋を架設したが壊れやく、津波や火災災害時に逃げるために堅牢な石橋が切望され、名石工の手により美しい石橋が築造された。

◆------------------------------------------------------◆

◆堀川石堰堤(いしいでつづみ)と水門

 広渡川と堀川を結ぶ入り口にある堰と水門である。水門は改修により近代的設備になっているが石堰堤は当時の姿をとどめている。堀川運河の要となる施設として築造されたものである。石堰堤は広渡川南北70mでその南端は一辺20mの箱形として築造された。

◆花峯橋(はなみねはし)

 1929年(昭和4年)に堀川運河に掛けられた木造方丈形式の橋で75年の供用に耐えている。平成16年には木造道路橋として文化財登録に指定されている。橋長26.8mで老朽化により大型車は通行できない。欄干も一部壊れており維持補修が必要である。

◆------------------------------------------------------◆
 
◆日南海岸国定公園(S45.7.1指定)
 
 九州の東南端で宮崎県の青島から鹿児島県の志布志までの海岸線一帯の公園で、ビロウをはじめ亜熱帯植物が繁茂する青島、海食棚の鬼の洗濯板、絶景の展望地堀切峠など南国らしい美しい海岸線が連なる景勝地である。

◆祇園神社(ぎおんじんじゃ)

 この神社は疫病、厄難除けの守護人で航海安全、五穀豊穣、商売繁盛、縁結びの神様である。大正12年、油津に赴任された宮崎鉄道管理事務所所長星野寅二氏の尽力により大正13年に完成した。当時、30数名の石工が工事携わったと言われている。岩窟の大きさには驚かされる。

◆油津港

 油津港が漁港としての形を整えたのは、1902年(明治35年)に制定された漁業法に基づき「油津漁業組合」が設立された頃からだったらしい。1917年(大正6年)には国内で初めて「漁港」の指定を受けた。

◆------------------------------------------------------◆

◆杉村金物本店

 油津一丁目の国道220号線沿いに杉村金物本店がある。杉村金物本店は1892年(明治25年)創業の老舗で、三階建ての美しい建物は1932年(昭和7年)に建築された。一階が金物や漁具、船具などを商う店舗で、二階三階は住居となっている。建物は現在もほぼ建築時の外観を残しており、1998年(平成10年)、文化庁の登録有形文化財に登録された。

◆赤レンガ館

 1922年(大正11年)に材木倉庫として建てられた。中2階建て、延床面積264.46㎡の建物には、約22万個のレンガが使われている。通路のアーチ型のデザインに大正時代のモダンなセンスを感じる。

 まぐろ景気で沸いた頃の面影を残す歴史的資産である。1997年(平成9年)に競売にかけられ、地元有志31名が「合名会社油津赤レンガ館」を設立し一人100万円の出資で土地建物を取得し日南市へ寄贈した。

 2006年11月に開催される、赤レンガネットワーク全国大会に向け補修工事中であった。 赤レンガ館でMRTテレビが関係者のインタービューをしていた。

 赤レンガ館を撮影していると「カメラのモデルになってくれませんか」とMRTのカメラマンから依頼された。「カメラで撮影してください」と言われるままにモデルになってしまった。(^_^;)

◆文化庁登録文化財

 堀川運河沿いの町には民家などの文化財が21カ所あると聞いた。2005年(平成17年)から2010年の5カ年計画で堀川運河を中心に散策道、町並みなどの整備がされている。完成が待ち遠しい。近々全ての文化財を巡って見たい。

◆堀川運河資料館

 資料館の1階は油津マップや観光パンフレットが置かれている。2階は油津が舞台となった『男はつらいよ寅次郎の青春』の展示コーナーや堀川運河の歴史資料が置かれている。

資料館は無料で10時から16時まで開館。堀川運河資料館から見える堀川運河の風景は情緒がある。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿